あまりのコスパの良さにちょっとオーディオ界隈がザワついたダイソーの500円ハイレゾイヤホンが気になったので、安イヤホン専門家の筆者がゲーミング用途での実力を試すためFPS(Escape from Tarkov)で使ってみました。
ダイソー マイク付きハイレゾ対応イヤホン
ドライバー構成 | ダイナミック型(Φ10mmドライバ) |
インピーダンス | 18Ω ±15% |
音圧感度 | 100±3db/mw |
再生周波数帯域 | 20Hz~40kHz |
ケーブル仕様 | Φ3.5mmステレオプラグ |
型式 | ハイレゾ対応カナル型イヤホン |
マイク | ・周波数特性100Hz~10,000Hz ・全指向性 ・感度-42±3db |
あくまで”500円の割には…”の枕詞が付く前提ですが、ハイレゾ対応で500円というあまりの安さにオーディオ界隈がちょっとザワついたとかザワつかなかったとか。
【比較対象】intime 碧(SORA)-Light【2019Edition】
ドライバー構成 | ハイブリッド型(Φ10mmドライバ+VST) |
インピーダンス | 22Ω |
音圧感度 | 102db/mw |
再生周波数帯域 | 20Hz~40kHz |
ケーブル仕様 | Φ3.5mmステレオプラグ(無酸素銅) |
型式 | ハイレゾ対応カナル型イヤホン |
「碧(SORA)-Light」は国産メーカー「O2aid(オーツェイド)」が手掛けるイヤホンブランド「intime(アンティーム)」からリリースされているハイレゾ対応イヤホン。ハイレゾ対応ながら5,000円を下回る価格でこちらもオーディオ界隈がざわついたようなそうでもないような名機です。
ちなみに筆者は「国産」「高性能」「低価格」というステータスに惚れ込んで数年使い込んでいます。
オーディオ再生テスト
まずは普通に音楽を再生してテスト。
ダイソーは高音が割れて飽和気味
「500円の割には悪くない」っていうのは確かにその通りなんですが、やはり限界値はそんなに高くない様子。
特に高音が気になったところで、ハイハットやらなんやらがガシャガシャ鳴り始めると途端に音が割れて騒音化します。もともとそんなに広くない許容範囲の中で容量パンパンに鳴ってる感じとでも言うんでしょうか。いろんな音があちこちですぐ天井にぶつかって警告出してるような。なのでボリューム大きめで使うのはちょっとツラそう。
中低音に関してはそこそこ鳴ってる感じはしますが、碧-Lightと比較してしまうと一音一音がボヤケて混じり合ってしまう感じもあります。
逆に碧-Lightは高音がうるさくない&全域に余裕がある感じで、すべての音の波形がちゃんと割れずに鳴っています。中低音に関しても一音一音がはっきりと立って聞こえる=解像度が高い印象。
ゲームテスト
Escape from Tarkovをプレイしてテスト。
同じ音をちゃんと聴き比べたかったので、まず普通にプレイして動画撮影。そして動画の中で足音や銃声が入り混じる部分をイヤホンを換えて繰り返し聴き比べる。という方法でテストしています。
ダイソーは単音では良くても重なるとキツい
ダイソー500円ハイレゾイヤホンはゲーム音質にしても若干ペラい印象は受けるものの、音楽と違いひとまず音の善し悪しは関係ないものとして考えていきます。
足音や環境音、銃声など、それぞれが単音で鳴っている限りはちゃんと聞き取れますし、定位も問題ありません。が、複数のScavと同時に接敵して撃ちつ撃たれつという状況になると、足音や銃声その他の音が入り乱れて割れて飽和し、途端に聞き分けが難しくなります。特に銃声と着弾音の聞き分けが難しくなるのは敵の位置を知るうえでかなりのハンデになってしまう印象。
また高音が大きく割れやすいダイソー500円ハイレゾイヤホンでは自身の草ずれの音も大きく聞こえてしまうため邪魔に感じるタイミングもそれなりにありました。
比較する碧-Lightでは同じ混戦状態でもダイソーよりはひとつひとつの音を聞き分けることが可能で、瞬間的に敵の位置を把握することに役立っています。
ダイソー500円ハイレゾイヤホン総評
なんやかんや文句を書きましたが、今回テストしたオーディオ再生もゲームプレイも音量大きめの使用環境を想定したものになります。この環境ではキャパオーバーで音割れなど気になる点がありましたが、もう少しボリュームを落とした使用状況であれば特に問題がなかった点は書き加えておきます。
例えば電車などで音漏れしない程度のボリュームで音楽を聞く場合や、ビデオ通話、テレビ会議などの日常会話ボリュームであれば全く問題なく使えると思いますし、安っぽさを感じることも無いでしょう。
だったらハイレゾを推す必要も無いような気はしますが、500円の割にはしっかり使えるコスパの良いイヤホンであることは事実だと思います。そのうえで、あくまで500円なので上には上がいる、ということでしょうか。