2023年7月7日にMicrocenter独占発売となったAMD Ryzen5 5600X3DはAM4に再度命を吹き込む廉価&最強ゲーミングCPUとしてのポジションを確立できるのか?
Ryzen X3Dシリーズスペック
Ryzen9 7950X3D | Ryzen9 7900X3D | Ryzen7 7800X3D | Ryzen7 5800X3D | Ryzen5 5600X3D | |
アーキテクチャ | Zen4 TSMC 5nm | Zen4 TSMC 5nm | Zen4 TSMC 5nm | Zen3 TSMC 7nm | Zen3 TSMC 7nm |
コア数 | 16 | 12 | 8 | 8 | 6 |
スレッド数 | 32 | 24 | 16 | 16 | 12 |
基本クロック | 4.2GHz | 4.4GHz | 4.2GHz | 3.4GHz | 3.3GHz |
最大クロック | 5.7GHz | 5.6GHz | 5.0GHz | 4.5GHz | 4.4GHz |
L1キャッシュ | 1MB | 768KB | 523KB | 512KB | 384KB |
L2キャッシュ | 16MB | 12MB | 8MB | 4MB | 3MB |
L3キャッシュ | 128MB | 128MB | 96MB | 96MB | 96MB |
TDP | 120W | 120W | 120W | 105W | 105W |
対応ソケット | AM5 | AM5 | AM5 | AM4 | AM4 |
最大温度 | 89℃ | 89℃ | 89℃ | 90℃ | 90℃ |
PCIeバージョン | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 4.0 | 4.0 |
対応メモリ | DDR5 | DDR5 | DDR5 | DDR4 | DDR4 |
搭載グラフィック | Radeon™ Graphics | Radeon™ Graphics | Radeon™ Graphics | — | — |
発売時期 | 2023年3月 | 2023年3月 | 2023年4月 | 2022年4月 | 2023年7月 |
発売時価格 | ¥111,800 | ¥95,800 | ¥71,800 | ¥65,300 | $229 |
現在価格 | ¥106,900 | ¥71,790 | ¥59,500 | ¥32,800 | — |
Ryzen5 5600X3Dとは
Ryzen5 5600X3Dは2020年11月に販売を開始したZen3世代CPUであるRyzen5 5600Xをベースに、L3キャッシュを爆積みするAMD 3D V-Cacheテクノロジーを搭載したゲーミング性能に特化したタイプのCPUです。
3D V-Cacheとは
3C V-Cacheとは、簡単言えばキャッシュメモリを立体的にガン積みするAMD特有のテクノロジーのことです。
CPUは処理を行う際にL1キャッシュ→L2キャッシュ→L3キャッシュ→メインメモリという優先度で情報を探しに行くため、メインメモリよりも高速なL3キャッシュをガン積みするとCPUの処理効率が大きく上がります。
そしてこの処理効率はゲーミング性能とメチャクチャ相性が良いので3D V-Cache搭載CPUはゲーミングCPUと呼ばれているとかいないとか。
同じくZen3世代のRyzen7 5800X3Dに続き、Ryzen5000シリーズでは2モデル目の3D V-Cache化になります。
またRyzen5としては初のX3D化であるため、コスパを重視するミドルスペックユーザーからは他のX3Dシリーズよりもリーズナブルな価格設定に対しても期待が寄せられています。
5000X3Dシリーズと7000X3Dシリーズの違い
5000X3Dと7000X3Dの2種類のX3Dシリーズの大きな違いとして挙げられるのが対応ソケットと対応メモリの違いです。
Zen4世代の7000X3Dシリーズは最新規格のAM5ソケット及びDDR5メモリ対応のため、導入のためには周辺パーツも含めた大部分を最新パーツで組む必要があり、性能面での進化の恩恵はありつつも導入コストが高額になってしまうというデメリットがあります。
対してZen3世代であるRyzen7 5800X3D及びRyzen5 5600X3DはAM4ソケットとDDR4メモリに対応します。
そのためこれまでRyzenシリーズが長年共通仕様で使用してきたAM4マザーボードや価格がこなれたDDR4といった「枯れたシステム」を積極的に活用してリーズナブルで高性能なシステムを組ことが出来ます。
残念ながら5600X3DはMicrocenter専売
リーク情報などで噂が広がった時点で「安価で高性能なミドルスペックCPU」として5600X3Dに対する期待度は爆上がりしていましたが、蓋を開けてみると、残念ながらRyzen5 5600X3Dは『Microcenter独占販売』という形で7月7日にリリースされてしまいました。
Microcenterとは
Microcenterとは、簡単に言えばアメリカで25店舗を展開する巨大PCパーツショップと言ったところでしょうか。
残念ながらMicrocenter自体には海外発送を請け負う部門は無く、日本から直接購入することは出来ません。
Microcenterのサイトを見に行っても店頭受け取りのみの販売となっており、現状では日本で入手することは困難なようです。
▶Ryzen5 5600X3D 販売ページ(Microcenter)
AM4環境はRyzen7 5800X3Dで活用すべし
5600X3Dが入手できないのは残念ですが、2023年7月現在、同じくAM4ソケットで使用可能なRyzen7 5800X3Dの価格が良い感じで下落傾向です。
発売開始時で7万円前後だったものが現在では半値の3万5千円程度まで下がっているため、AM4環境を有効活用&アップグレードしたい場合はRyzen7 5800X3Dが一番の選択肢になりそうです。