2024年6月時点のSteamユーザーのGPUシェアデータから、上半期で売れている人気のグラボを解説します。
▶データソース:Steamハードウェア調査
2024年6月 SteamユーザーGPUシェア
・シェア1位はRTX3060
・エントリー〜ミドルスペックのGPU(RTX〇〇50〜〇〇70)が上位の大半を占める
・AMD及びIntel製のグラボはTOP30にランクインせず(内蔵グラフィックスを除く)
TOP30の上半期のシェア増減
・「RTX4060」「RTX4060 LaptopGPU」「RTX4060Ti」がシェア増加のTOP3
・旧世代からRTX40シリーズへの買い替えが順調に進行
・CPU内蔵グラフィックスがシェアを伸ばす
グラフは2024年2月時点から約半年間でのシェアの増減を数値化しています。
順調にRTX40シリーズがシェアを伸ばしており、中でもRTX4060、RTX4060 LaptopGPU、RTX4060TiといったミドルスペックのGPUの需要が高くなっています。
対してRTX4080〜4090のハイスペックGPUはランキングにほとんど登場せず。これはハイエンドGPUの価格が高すぎることと、GPU全体の性能が上がったことでミドルスペックまでの性能でも充分に現在のゲーム要求スペックを満たせるようになったことが要因ではないかと考えることが出来ます。
また注目すべき点として、CPU内蔵グラフィックスである「AMD Radeon Graphics」や「Intel Iris Xe」、「Intel UHD Graphics」が地味ながらシェアを伸ばしています。理由としては単純にノートPCユーザーが増えていることもあると思いますが、2023年以降に登場した各社CPU(APU)が急激に内蔵グラフィックスの性能を向上させたことも要因のひとつではないかと考えます。ライトな2Dゲームに限らず、ものによってはエントリークラスのグラボに迫る描画性能の内蔵グラフィックスも登場していることから、今後もグラボ不要のAPU(CPU&GPU統合プロセッサ)を搭載したノートPCやミニPCがシェアを伸ばしていく可能性は高いでしょう。
シェアTOP30の性能比較
・RTX40シリーズに限れば性能が低いものから順にシェア上位を占めている
画像はSteamユーザーのGPUシェアTOP30について、PASSMARKのベンチマークスコアを並べたものです。
何世代もの新旧GPUが入り乱れているので全体で傾向を捉えるのは難しいですが、最新のRTX40シリーズに限れば買いやすい価格帯でもあるミドルスペックが上位を占め、ハイスペックモデルは下位に沈んでいます。
上位を占めるRTX40シリーズはミドルスペックモデルとは言え軒並み旧世代GPUに並ぶor超える性能を実現しているため、先にも述べた通りゲーミング性能としてすでに充分で、過度にハイスペックなGPUはゲーム環境としてそれほど必要とされていないのではないかと思われます。
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