FDM方式の3Dプリンターでは造形物には必ず積層跡が残ります。
この積層跡を、耐水ペーパーとコンパウンドでキレイに消します。
表面処理前
表面処理を施すテストモデルとして、自作の液体金属生命体を使用します。
使用した3DプリンターはEnder3 S1、素材はPxmalionのメタリック系PLAフィラメントです。
メタリックなフィラメントを選んだ理由は題材に合いそうだから。
ですが、メタリック素材は積層跡が金属のヘアラインっぽい質感になるのでわざわざ消さなくてもすでにキレイです。
耐水ペーパーで積層跡の凸凹を削る
PLAは熱に弱く、普通の紙ヤスリを使用すると摩擦熱で溶けて上手く削れません。
そのため、温度の上昇を防ぐために耐水ペーパーで水を掛け流しながら削っていきます。
番手は#240〜600を使用し、積層跡が手で触ってもわからなくなるレベルまで削ります。
このあとのコンパウンド研磨では積層跡を消す効果は無いので、耐水ペーパーの段階でしっかりと積層跡を削り取っていきます。
コンパウンドで表面を滑らかに
耐水ペーパーをかけた段階では積層跡の凹凸はなくなりますが、表面が白っぽく濁ってしまいます。
これは表面に細かい傷(ヤスリ跡)が無数について光を乱反射しているせいなので、コンパウンドで表面をツルッツルに磨いていきます。
なお、塗装を施す場合はコンパウンドは使用せずに、耐水ペーパーのあとにサーフェースを吹いて下地を作るほうが良いと思います。
今回はPLA素材のまま塗装なしで完成とするため、磨いて見た目をキレイに仕上げています。
コンパウンドは自宅に転がっていた車のリペア用(SOFT99)を使用しました。
新たに購入する場合は模型用とかプラ仕上げ用とか、それっぽいものを選べば問題ないと思います。
たぶん中身は同じです。
表面処理後の雑感
表面は指先で触ってもほぼ凹凸を感じないレベルまでヤスリましたが、成形時のフィラメントの折返し跡やヨレ跡は消えませんでした。
メタリック系PLAフィラメントが特に残りやすいのかも知れませんが、真相は不明です。
次は普通のマットなフィラメントで試してみようと思います。
画像ではわかりにくいですが、肉眼ではかなりトゥルットゥルで滑らかな仕上がりです。
すべて手作業なので結構大変ですが、PLA地のままキレイに仕上げたいときにはアリなんじゃないでしょうか。