2023年5月24日にNvidia GeForce RTX4060Ti 8GBが発売されました。
RTX4060Ti 8GB スペック
RTX4070 | RTX4060Ti 8GB | RTX3060Ti | |
発売 | 2023/4 | 2023/5 | 2020/12 |
世代 | Ada lovelace | Ada lovelace | Ampere |
製造プロセス | 4nm | 4nm | 8nm |
CUDAコア数 | 第3世代 5888 | 第3世代 4352 | 第2世代 4854 |
Tensorコア | 第4世代 | 第4世代 | 第3世代 |
動作クロック | 1.92 ~2.48GHz | 2.31 ~2.54GHz | 1.41 ~1.67GHz |
メモリ | GDDR6X 12GB | GDDR6X 8GB | GDDR6(X)※ 8GB |
メモリ転送レート | 21Gbps | 18Gbps | 14Gbps |
メモリバス幅 | 192bit | 128bit | 256bit |
メモリバス帯域幅 | 504GB/s | 288GB/s | 448GB/s |
定格電力 | 200W | 160W | 200W |
RTX4060Ti 8GB 価格
モデル | 発売時期 | 発売時価格 |
RTX4090 | 2022年10月 | 約29万円~ |
RTX4080 | 2022年11月 | 約22万円~ |
RTX4070Ti | 2023年1月 | 約15万円~ |
RTX4070 | 2023年4月 | 約10万円~ |
RTX4060Ti 8GB | 2023年5月 | 約7万円~ |
RTX4060Ti 16GB | 2023年7月 | 約9万円~ |
RTX4060 | 2023年7月 | 約5.4万円~ |
RTX4060Ti 16GB 及び RTX4060 は7月発売予定
同じくRTX4060の名を冠する2モデル『RTX4060Ti 16GB』と『RTX4060』は2023年7月発売予定。
RTX4060Ti 16GBはRTX4060Ti 8GBと基本スペックは同じながらメモリ搭載量を倍増したスペックアップモデル。
RTX4060は無印のベーシックモデル。
RTX4060Ti 8GB 性能評価
性能はRTX3070相当か
本記事執筆時点ではまだ各社各誌のベンチマーク結果が出揃っていない段階ではありますが、RTX4060Ti 8GBはおおむね以下のような性能であると言えます。
・素のゲーミング性能ではRTX3070と同等もしくは若干劣るくらいの性能。
ただしDLSS 3.0(RTX4000シリーズのみ)の効果を加味すればRTX3070を大きく上回る。
・Blenderベンチマーク(レンダリング性能)ではRTX3070Tiを上回る?
電力効率は大きく飛躍
RTX4060Ti 8GBの定格電力は160W。
対して同等性能の旧モデルRTX3070は220W、RTX3070Tiは290W。
電力効率の面では製造プロセス4nmのAda lovelace世代の恩恵を受けて大きく飛躍したと言えます。
定格電力が少ないということはPCシステム全体での電力容量も少なく済み、発熱が抑えられることでパーツ選定や冷却面で大きなアドバンテージとなります。
運用維持コストの面で言えば、稼働時間が長ければ長いほど電気料金を安く抑える効果も大きくなります。
優等生だがインパクトには欠ける
RTX4060Tiは旧世代のRTX3070~3070Ti相当の性能を有しつつ電力効率を大きく改善した最新世代グラフィックボードで、ゲーミングシーンではフルHD解像度であればどんな重量級タイトルであっても充分な高フレームレートを維持できる優等生的なモデルであると言えるでしょう。
と言えば聞こえはいいですが、同じくミドルスペック帯で先に発売されたRTX4070が旧世代のハイエンドモデルであるRTX3080~3090に匹敵する性能を持ちながら約10万円であることを考えれば、RTX4060Ti 8GBはちょっとインパクトに欠けるパッケージであると感じてしまいます。
さらに7月にはメモリ増設モデルのRTX4060Ti 16GBと安価なRTX4060の発売を控えているため、5月発売時点でRTX4060Ti 8GBに飛びつく理由はそれほど多くないと思われます。
スペック細分化と性能過多の弊害
7月発売予定のRTX4060Ti 16GB及びRTX4060も含めて予測込みで買い判断をするならば、
・RTX4060Ti 16GBよりもわずかな価格差で上位モデルのRTX4070を買うほうが良い。
・価格重視で選ぶならRTX4060Ti 8GB/16GBではなくRTX4060を買っても性能的には困らない。
という印象になりそうな気がします。
というのも、ミドルスペック帯では『高性能=RTX4070』『低価格=RTX4060』というわかりやすいスタンスに対してRTX4060Ti 8GB/16GB の2モデルを投入してもユーザーとして違いを感じ取れるほどの性能差はほとんどなく、無理やりスペックを細分化しただけという印象を持ちかねないのではないかと。
さらに言えば、2023年現在のゲーミングシーンでは旧RTX3000シリーズでも性能的には全く不足を感じない(ソフト側の進化がハード側の進化ほど速くない)状況にあるため、買い替えを急ぐ必要も無い。
そんななかでのRTX4060Ti 8GBの市場投入なので、販売数としてはそれほど伸びないんじゃないかと思います。
2023年5月時点でミドルスペックのゲーミングPCを新調するならRTX4070搭載モデル。
価格を抑えたいなら7月まで待ってRTX4060という選択肢がおすすめかも知れません。