マウスコンピューターが2023年に立ち上げた新ゲーミングブランド「NEXTGEAR」が2024年7月末で1周年を迎えたことを記念し、2機種の1周年記念モデルが販売されています。
コスパブランド「NEXTGEAR」の1周年記念モデル
もともとマウスコンピューターにはゲーミングブランド「G-tune」が存在していますが、さらにコスパに特化したビギナー向けゲーミングブランドとして差別化する形で「NEXTGEAR」が誕生しました。
NEXTGEARはパーツ選定やオンライン限定販売でコストを落とし、国内生産&国内サポートの安心感はそのままに買いやすい価格帯を実現したことで人気を集めています。
そのNEXTGEARからの1周年記念モデルということで、ここではコスパに着目して掘り下げてみましょう。
NEXTGEAR JG-A5G60(1周年記念モデル)
Windows 11 Home 64ビット |
AMD Ryzen5 4500 6コア 12スレッド/3.60~4.10GHz |
NVIDIA GeForce RTX 4060 |
DDR4 16GB (8GB×2) |
1TB (NVMe) |
AMD B550 チップセット |
750W【80PLUS BRONZE】 |
\139,900 |
NEXTGEAR JG-A7G7S(1周年記念モデル)
Windows 11 Home 64ビット |
AMD Ryzen7 5700X 8コア 16スレッド/3.40~4.60GHz |
NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER |
DDR4 16GB (8GB×2) |
1TB (NVMe Gen4×4) |
AMD B550 チップセット |
750W【80PLUS BRONZE】 |
\229,900 |
コスパ参考比較
CPU性能比較
JG-A5G60に搭載される「Ryzen5 4500」及びJG-A7G7Sに搭載される「Ryzen7 5700X」のベンチマークスコアは上図の通り。
Ryzen5 4500は2022年に発売された6コア12スレッドのZen2世代CPU(最新はZen5)で、同じく6コア12スレッドのRyzen5シリーズのなかでも低価格に特化した廉価版モデルに位置します。ゲーミング性能に関して決して高くはありませんが、GPUのエントリーモデルであるRTX4060と組み合わせる分には最低限の仕事はしてくれるでしょう。NEXTGEARのエントリークラスゲーミングPCとして”買いやすさ”を重視したチョイスで、4500のおかげで全体コストが大幅に安く抑えられています。
Ryzen7 5700Xは2022年に発売された8コア16スレッドのZen3世代CPUで、当時からミドルスペックゲーミングPCの大定番と言える人気を誇った売れ筋CPUです。発売から2年以上経過した今も最新のZen4~5世代と比較してRyzen5クラス相当、Intel 第13~14世代と比較してCore i5クラス相当のCPUパワーを発揮しつつ、これら最新同性能のCPUと比較して価格面を大きく抑えることが出来るという点でメリットが大きいチョイスだと言えます。
なお、2024年はIntel 第13~14世代CPUに大規模な不具合が発覚し現時点(9月時点)でも根本解決には至っていないという状況下にあります。ゲーマー市場シェアでは未だIntel:AMD=7:3程度の開きがありますが、時勢的にはAMD Ryzenに追い風が吹いている時期でもあると言えるでしょう。まだまだAMD製CPUに馴染みのないユーザーも多いとは思いますが、もちろん性能や相性、使い勝手の面でAMD Ryzenが劣ることはありません。
GPU性能比較
JG-A5G60に搭載される「RTX4060」及びJG-A7G7Sに搭載される「RTX4070SUPER」のベンチマークスコアは上図の通り。
RTX4060はRTX4000シリーズの中でエントリークラスに位置しますが、性能的にはフルHD解像度でほぼすべてのゲームタイトルに対応するパワーを発揮する為よほどのヘビーゲーマーでない限りは基本的に不足はありません。
RTX4070SUPERはミドルハイスペックに位置し、職業ゲーマーでもない限り充分すぎる高性能GPUです。フルHD解像度ではほとんどどんなゲームでも最高画質で高フレームレートを叩き出すパワーを発揮し、2K~4K解像度のゲームプレイにも対応できる高出力を持っています。
なおGPUに関してはAMD製Radeonシリーズも存在しますが、ゲーマー市場でのシェアが非常に小さいため比較には含めません。無理に選択肢に入れる必要も無いでしょう。
同スペック帯ゲーミングPC比較
ここではGPUをゲーミング性能の比較軸として、JG-A5G60と同じ『RTX4060』搭載モデル、JG-A7G7Sと同じ『RTX4070SUPER』搭載モデルの構成&価格例を並べてみます。
RTX4060搭載ゲーミングPC構成価格例
モデル | CPU | GPU | その他 | 価格 |
---|---|---|---|---|
NEXTGEAR JG-A5G60 (1周年記念モデル) | Ryzen5 4500 | RTX4060 | DDR4 16GB 1TB SSD 750W電源 センドバック修理保証3年 | \139,900 |
D社 G——- | Core i5-14400F | RTX4060 | DDR5 16GB 500GB SSD 650W電源 持込修理保証1年 | \164,980 ▶詳細リンク |
D社 G——- | Ryzen5 4500 | RTX4060 | DDR4 16GB 500GB SSD 650W電源 持込修理保証1年 | \129,980 ▶詳細リンク |
T社 A——— | Ryzen7 5700X | RTX4060 | DDR4 32GB 1TB SSD 500W電源 保証期間1年(有料3年可) | \149,980 ▶詳細リンク |
※他社の比較モデル名は配慮のため伏せています。詳細はリンクから確認できます。
エントリーモデルに位置するゲーミングPCとして、RTX4060搭載モデルは各社とも同スペック帯に同価格帯モデルをラインナップしています。
筆者であればCPU性能とメモリ搭載量を加味して「T社 A———-」に心惹かれますが、ここはPCケースがダサい&電源容量が少ないのでちょっと悩ましいところ。
ちなみにCPU単体価格はRyzen5 4500(約1.5万)、Ryzen7 5700X(約2.5万)、Core i5-14400F(約3.3万)(※すべて9月時点の実勢価格)くらいなので、見た目を気にしない&最悪自分で電源交換(このモデルはカスタム購入できない)する前提ならT社、安さ重視ならD社(の4500搭載の方)に+5000円でSSD増設するかなぁ…。
さすがにこの時期にIntel Coreは選べません。
RTX4070SUPER搭載ゲーミングPC構成価格例
モデル | CPU | GPU | その他 | 価格 |
---|---|---|---|---|
NEXTGEAR JG-A7G7S (1周年記念モデル) | Ryzen7 5700X | RTX4070 SUPER | DDR4 16GB 1TB SSD 750W電源 センドバック修理保証3年 | \229,900 |
D社 G——- | Core i5-14400F | RTX4070 SUPER | DDR5 16GB 500GB SSD 750W電源 持込修理保証1年 | \244,979 ▶詳細リンク |
D社 G——- | Ryzen7 5700X | RTX4070 SUPER | DDR4 16GB 1TB SSD 750W電源 持込修理保証1年 | \229,980 ▶詳細リンク |
T社 G—- | Ryzen7 5700X | RTX4070 SUPER | DDR4 32GB 1TB SSD 850W電源 保証期間1年(有料3年可) | \227,980 ▶詳細リンク |
※他社の比較モデル名は配慮のため伏せています。詳細はリンクから確認できます。
人気のミドルハイスペックゲーミングPCだけあって、RTX4070SUPER搭載モデルは各社とも構成及び価格の面で拮抗しています。
浮かび上がる差としては、T社G—-がメモリ搭載量&電源容量で一歩リード。ただしPCケースがダサい。次いでNEXTGEARが『3年保証』のサポート面で半歩リードといった感じでしょうか。
ぶっちゃけここまでくれば見た目の好みもかなり重要なファクターになると思います。
筆者であれば…T社G—-ですね、たぶん。
ゲームプレイの快適性で言えばメモリ32GBはかなりデカいですし、購入後に後々自分でパーツのグレードアップをする可能性を考えれば電源容量はデカいに越したことは無いので。PCケースなんて飽きたら自分でカッコイイケースを買って中身ごっそり入れ替えますし。
さすがにこの時期にIntel Coreは…。
NEXTGEAR 1周年記念モデルのコスパ比較結果
今回比較した結果として、NEXTGEAR 1周年記念モデルは確かにお買い得ですが、他社にもしっかりとお買い得モデルが用意されていた。という結果になりました。
なおPCケースのデザイン、インターフェース、その他マザーボードやファンなどの詳細パーツまで細かく比較すればもっと各社の違いが浮き彫りになる可能性はあります。安い買い物ではないので気になる方は徹底的に調べてみてください。
PC初心者の方はサポート体制もかなり重要な選択要因になります。そういう意味ではNEXTGEARの3年保証は結構アリだと思います。
スペック的には主にCPU、GPU、メモリ搭載量あたりがゲームプレイに直接かかわる部分として大きいので、今回比較した各社ともパーツが一緒ならそこまで大きな違いは無いでしょう。