オンラインゲームで遭遇するラグラグの実の能力者を見て「自分は本当に大丈夫か?」と心配になったら、急いで自分の回線をチェックしてみよう。
本稿ではオンラインゲームをプレイする上で重要なネット回線についての簡単な解説と計測方法、また実際に筆者の自宅ネット回線を計測してみた結果を掲載しています。
ゲームに速度は必要ない
オンラインゲームのためのネット回線にとって速度は重要ではありません。
なぜなら、オンラインゲームでやり取りする情報は各プレイヤーの位置情報など極軽いデータであり、重い画像ファイルをやり取りするわけではないから。
実際必要な速度はほんの数Mbpsと言われており、さすがに不具合以外でこれを下回ることはほぼないでしょう。
逆に、速度は出ているのにラグい、ということもあり得るため
「下り1Gbps以上だから大丈夫!」と思っているなら認識を改めた方が良いかも。
ゲームに重要なのはpingとjitterとパケロス
pingとは
通信の往復、応答にかかる時間。
数値が少ない方が応答が速い。
例えば、海外サーバーに接続すると物理的な距離が原因でpingが高くなる=ラグを感じたりする。
jitterとは
データタイミングのズレ、揺らぎのこと。
数値は少ない方が安定する。
具体例は…体感したことがありません。
パケロスとは
パケットとはネット通信上でやり取りするデータを小分けにした単位。
パケットロス(パケロス)とは通信上のデータであるパケットが何らかの理由で通信先に届かずに消失してしまうこと。
パケロスが起こる原因としては通信が混みあうなどして許容量を超えてしまったり、通信する機器やサーバーに問題がある場合などが挙げられる。
有線接続がベター
無線LANも規格や機器の進化で一昔前よりは通信速度や安定性についてかなり改善してきているようで、一概に無線はダメ、と言える時代でもないのかもしれません。
むしろ速度だけを見れば有線を上回る場合も多くあります。(接続機器の規格による)
ただし無線LANは電波状況や周囲の環境によってパケットロスが発生しやすいという不安定さの面でどうしても有線接続よりも分が悪いようで、やはりゲームに必要な安定性を求めるには有線接続の方がベターであることには変わりないようです。
計測に便利な無料アプリ
自信の回線の安定性を計測するソフトは多々ありますが、今回はPC専用で回線のラグ状況を計測できる無料アプリ『LAG WATCH』を使用しました。
多くのゲームで使用されているAWSサーバー(東京リージョン)に対しての通信テストが出来るので、実際のプレイ環境に使い計測結果が得られるようです。
実際にうちの回線を計測してみた
筆者のネット回線は2022年9月現在Twitter界隈を賑わせているNURO光wです。
導入当時から最速を謳い文句にしており、すでに3年以上使用してますがまさかゲーム界隈からバッシングの的になるなんて思いもしませんでした。
(一連の「NUROが不安定」問題の真偽のほどは不明ですが、新規契約をお考えの方は状況が落ち着くまではやめておいたほうが良いかも知れません。)
接続環境は以下。
- 契約回線:NURO光 G2V(戸建てタイプ)
- ONU(ルーター):HG8045Q
- 接続:有線(ONU→同軸ケーブルモデム→PC)
計測結果
計測は接続が混み合いそうな19時、21時、23時をはじめ、思いつきでいろんな時間帯で実行。
平日の計測で、時間帯によるPing値のブレはほぼ無く平均10ms程度。
jitter値も常にほぼ一定です。
時間帯によって大きく変わっているのがパケロス値で、21時台の計測では約8.6%(IPv4接続の値。同時刻のIPv6接続は約6.3%)という驚きの数値を叩き出しました。
(明け方4時台ではパケットロスは0%)
さすがに平日明け方は安定。
パケロスも0%です。
こちらは9月の3連休の中日。
22時台でパケロスは余裕の10%超えで、この回線マジで終わってるんじゃないかと。
ちなみにパケロスは国際標準規格(Y.1541)で0.1%以下、IIJの品質保証制度(SLA)では0.3%以下と規定されているらしい(専門知識がないので詳細は不明ですが)。
そんななかで、混雑する時間帯とはいえ平日で10%に近い通信データが捨てられているというのはさすがに…。
他社回線との同条件での比較は取れていないので一概には言えませんが、我が家における回線環境はお世辞にも良いとは言えない状況のようです。
結果、現在は回線の乗り換えを検討し始めています。