先日ASUS CX34を自腹購入し、この記事の執筆時点で約1ヶ月間ほどビジネス目的中心に使用しました。 Chromebookを購入したのは初めてなので、購入に至る経緯とあくまで筆者の使い方に限定した使用感をレビューしてみます。
購入の経緯
リモートワーク目的で購入
ASUS CX34はサブPCとして、主にリモートワークのために購入。現在受注している仕事がクライアント側のPCにChromeRemoteDesktopで接続して行う環境なので、手元のPCはChromeが使えれば何でも良かった。
もちろんメインで使用しているデスクトップPCから接続する場合もありますが、モビリティ重視で使い勝手の良いノートPCが一台欲しかった、という状況でした。
他にはAIの台頭でほぼ金にならなくなったブログ記事の執筆や、趣味程度にほぼAI任せのプログラミングを行うための端末としても使用する、という用途もぼちぼち想定。
予算5万円〜 ノートPCの選択肢
仕事用とは言えサブ機に無尽蔵に金をつぎ込む余裕は無いので、イメージとしては5万円超くらいで買えるノートPCを探していました。
候補になったのは大体以下のような感じ。
- Windows搭載ノート(新品)・・・Intel Celeron搭載PCなど最低クラスのものしか予算に引っかからなかった記憶。15万まで予算を広げないとロクな選択肢がない。(個人の感想。)
- Windows搭載ノート(中古)・・・Intel CoreやAMD Ryzenの5年落ち程度でまぁまぁ使えるかな?くらいの弾が多数引っかかったが、掘り出しものは先に売れてしまうのでどうしても”売れ残り感”が気になった。ある程度の期間中古市場をウォッチして掘り出し物を待つ、という時間的な余裕があればもっと戦えたかもしれない。
- Linuxノート・・・Chromeは使えるし、プログラミング環境としてはWindowsよりも便利なのでLinuxでも良かった。普段から古いノートにUbuntuやLinux Mintを入れて遊んでいるので素人ながらある程度の理解もある。が、世間にはLinuxノートという製品が存在しないのはなぜなのか。やるなら中古のWindowsを買ってOSぶち込む感じだろう。
- Chromebook・・・世間であまり流行る気配がない&メーカーのラインナップが少ないのは気になるが、RemoteDesktopが使えればいいという意味では十分かもしれない、と思っていた。価格帯が安いことはもともと知っていたし、買い替え前の10年物のノートPCにChromeOS Flexを入れて触っていたこともあったので機能面ではある程度理解があった。これもまたLinuxの亜種である。
- Apple製品・・・Appleアンチなので一度も候補に入れたことはない。仕事で必要になったこともない。
で、最終的には第12世代Intel Core i3を搭載したChromebook Plus ASUS CX34を購入、ということになりました。
Chromebook Plus CX34を選んだ決め手
一番は予算
Chromebookはとにかく安い。なぜかといえば、たぶん「OSが無料だから」が一番大きな理由だと思っています。端末が安いので最近はGIGAスクール構想で教育目的に選ばれていたりもします。
さらに今回購入したCX34はストレージとしてHDDもSSDも搭載していない思いきりの良さでさらにお安い。代わりに128GBのフラッシュドライブを搭載していて、理由は後述しますがこれでも全然困らないから素晴らしい。
性能もそこそこ
GoogleはChromebookの有益性をさらに布教するために『Googlebook Plus』なるものをリリースしています。
簡単に言えばGoogleお墨付きの性能評価のようなもので、一定の基準を超える高性能Chromebookを「Plus」と呼びましょう、みたいな感じ。
Chromebookを選ぶ際にスペックが良くわからない人はPlusを買えば問題ないし、わかっていてある程度のスペックを求めると自然にPlusにたどり着きます。
ただし、もちろん搭載パーツが良ければ値段は跳ね上がるわけで、あまり欲張りすぎるとなぜ安いChromebookにしたのかわからなくなるので注意してください。
AIを組み込んだGoogleアプリが超強力
AIで社会の仕組みまで大きく変わろうとしている時代。各社のLLMが日進月歩で性能の進化を競い合っていますが、ぶっちゃけどこのAIが天下を取るかといえばGoogleだと思うんですよね。LLMの性能差なんて明日どうなってるかわからないレベルで変動してますし、そうなると、結局すでに膨大なビッグデータとプラットフォームをもっているGoogleの1強なんだろうなと。(個人の感想です)
で、ビジネスでいうと未だにMicrosoft officeが幅を利かせてますが、すでにその気になればGoogleアプリに置き換えることも可能なわけです。無料ですし。で、そのGoogleアプリがGoogle製LLMのGeminiと機能統合されて便利になっている。
じゃあGoogle縛りのChromebookでも何も困らないんじゃないか?という選択。
不安な方は古いノートPCを掘り出してきてChromeOS Flexを入れてみることで、Chromebook無料体験ができます。
AIサブスクが1年無料
最終的に決め手になったのはコレです。今(2025年7月時点)ChromebookPlusを買うと、Google AI pro(月額2,900円くらい)が1年間無料で使用できます。
ざっくり計算すると35,000円くらいの価値がある。ということは、約7万で買えるCX34が実質半額。という計算が成り立ちます。(信じる力が大切です。)
Google AI proにはGoogle Driveの容量が2TB含まれる。で、ノートPCにデカいストレージは必要ないから一番安いフラッシュドライブ搭載モデルにしよう。という考えに至りました。
Chromebook Plus CX34のウリとイマイチ
ASUS Chromebook Plus CX34の良い点・悪い点に触れておきます。
一般的にウリと認識されるであろう特徴と、イマイチと評されがちな特徴を実際の使用感で上書きしていきます。
【ウリ】対面での打ち合わせで活躍する「180度フラットヒンジ」
ディスプレイを180度完全に開いてフラットな状態にできるため、対面の顧客やチームメンバーに画面を見せながら説明する際に非常に便利に活用できるらしいです。
【実際の使用感】
180度フラットヒンジ、別にあっても困りませんが、自分には使う場面はないと思います。一台のPCをみんなで覗き込むような商談なんてしませんし。
【ウリ】外出や出張でも安心の「高い堅牢性」
米国国防総省が定める耐久基準「MIL-STD 810H」に準拠しており、衝撃や振動、高温・低温など、ビジネスの現場で起こりうる様々なアクシデントに対する高い耐性を備えているらしいです。
【実際の使用感】
なんにせよ堅牢なのは良いことですが、恐いので確かめる術はありません。
【ウリ】変換アダプタ不要の「豊富なインターフェース」
CX34は、最新のUSB-Cポート(映像出力・充電対応)を2つ、従来のUSB-Aポートを2つ、さらにHDMIポートも標準で搭載しており、多くの場面で変換アダプターを持ち運ぶ必要がなくスマートに外部機器へ接続できるらしいです。
【実際の使用感】
デスクトップを所有している場合、サブ機のノートはモビリティ重視で周辺機器をなるべく接続しない派です。が、最近はモバイルディスプレイも安いものが増えて来たので仕事上使う場面は今後増えるかも、と考えるとインターフェースは充実しているに限ります。
【ウリ】Chromebook Plus基準の「快適なパフォーマンス」
- CPU : 第12世代インテル® Core™ i3 -1215U(6コア【P2,E4】/8スレッド)
- メモリ : LPDDR5 8GB( 最大8GB)
- ストレージ: 高速なUFSまたはSSD 128GB
複数のWebアプリケーションやドキュメントを開きながらビデオ会議を行うといった、ビジネスで一般的なマルチタスクもストレスなくこなせるらしいです。
【実際の使用感】
性能に関しては上を見ればキリがないので、特に価格重視で選ぶ際には妥協も必要だと思ってます。
CPUに関しては、一般的なドキュメント編集などのビジネス用途やプログラミング等であれば全く不足を感じることはないですね。そもそもクラウドベースのツールを使用することも多いですし。 お絵かきや動画編集などのクリエイティブな用途はもともとデスクトップでやる前提なのでグラボも不要。 Windowsノートで同価格帯(5〜10万程度)を探すともっと世代の古いIntel CoreやCeleron系がヒットしてきますが、さすがにそこまで落とすとゴ◯にしかならない可能性もあるので、12世代のi3は絶妙にちょうどいい選択だと思います。AMD Ryzenであれば性能はそのままにもう少し価格を抑えられる可能性もありそうですが、そこは機種のラインナップ次第なので無いものはしょうがない。 Intel最新世代だとAI向けNPU搭載モデルなんかもあったりしますが、ノートの場合、LLMはどうせクラウドじゃないと動かないし、AI向けNPUはカメラやマイクのノイズ除去みたいなプチAIツールにしか活用されていないイメージなのでまだ時期尚早だと思ってます。 あと、第13〜14世代のIntel Coreは自分でBIOSを弄れる猛者しか買ってはいけません。と誰かが言ってました。
欲を言えば、メモリは16GBは欲しかったかも。くらいで、価格に対しての性能という点で非常に満足しています。用途をちゃんと限定すれば超お買い得スペックだと思います。
【イマイチ】ディスプレイ品質は「作業特化型」
フルHD(1920×1080)の解像度で事務作業には十分なものの、ディスプレイの輝度(明るさ)や色域は、上位モデルやクリエイター向けPCには及ばないかもしれないらしいです。
注意点: カフェのテラス席や日差しの強い窓際など、非常に明るい環境では画面が見えにくく感じる可能性もあるそうです。
不向きな用途: 正確な色が求められるデザイン業務や、高品質な映像コンテンツの編集にはあまり適していないでしょう。あくまでビジネスドキュメントの作成・閲覧に最適化されていると考えるのが良さそうらしいです。
【実際の使用感】
はなからそのつもりで購入しているので全く問題ありません。というか十分綺麗ですよ。
【イマイチ】筐体の質感は「実用性重視」
堅牢性は高い一方で、筐体の主な素材はプラスチックであり、金属ボディのPCのような高級感はあまり感じられないかもしれません。質感は価格相応であり、「所有する満足感」よりも、傷などを気にせず使い倒せる「道具感」を重視するユーザー向けのモデルと言えるらしいです。
【実際の使用感】
ASUSの外観デザインは割と気に入ってます。個人的にはLenovoよりはカッコいいと思ってますよ。この価格帯で「プラスチックが嫌!」とか言うつもりもありませんし。 ただし、前面にしっかりと「chromebook Plus」と印字するのはやめていただきたかった。
【イマイチ】Webカメラとスピーカーは「標準レベル」
Webカメラには物理的なプライバシーシールドが搭載されておりセキュリティ面で安心ですが、カメラ自体の画質やマイクの音質は標準的なレベルと言えるでしょう。Chromebook PlusのAI機能(背景ぼかし、ノイズ除去など)によって品質は補完されるものの、ハードウェア自体が特に優れているわけではありません。よりクリアな映像や音声を求める場合は、外付けのWebカメラやマイクの利用を検討する方が良いかもしれません。らしいです。
【実際の使用感】
標準レベルで十分です。全く問題ありません。web会議で使えれば美声も美貌も要りません。
まとめ:どのようなユーザーに最適か?
ASUS Chromebook Plus CX34は
- Windows&Officeを捨てる覚悟のある方
- 自分に必要な用途、性能を見極められる方
- Googleさえあれば何もいらない方
にとって、価格面でも性能面でもかなり有益な選択肢になります。
そしてGeminiの可能性を最大限に活かせる端末として重宝します。
よくわからない、絞りきれない、ノートPC1台であれもしたいこれもしたい、という方は迷わずWindowsPCを購入してください。