BCNランキングの調べによると、2022年11月に一番売れたノートパソコンは2022年6月に発売された『富士通 FMV Lite3515/G2 FMV3515G2W』。
このもっとも売れたノートパソコンの実力を、各パーツの性能&コストに着目してレビューしていく。
富士通FMV Lite3515/G2 FMV3515G2Wパーツ構成
以下、富士通FMV3515G2Wとして富士通公式ページにて公開されているパーツ構成。
なお比較対象は同じく10万円弱で購入できるLenovo IdeaPad slim 550。
同価格帯で購入できるノートPCとして性能を比較していただきたい。
FMV3515G2W | IdeaPad slim 550 | |
OS | Windows11 home 64bit | Windows11 home 64bit |
MS office | Home & Business 2021 | Home & Business 2021 |
CPU | Intel celeron 6305 (1.85GHz ) (2コア2スレッド) | AMD Ryzen5 5500U (2.10-4.00GHz) (6コア12スレッド) |
GPU | CPU内蔵 Intel UHD Graphics (1.25GHz) | AMD Radeon Graphics (1.8GHz) |
メインメモリ | 8GB(4GB*2) (空きスロット:0) | 8GB (空きスロット:0) |
ストレージ | 256GB SSD | 512GB SSD |
光学ドライブ | スーパーマルチドライブ (DVD±R DL(2層)書き込み対応) | – |
メモリースロット | SDカード対応 | SDカード対応 |
ディスプレイ | 15.6inch TFT液晶 (1366×768) | 15.6inch IPS液晶 (1920×1080) |
webカメラ | HD Webカメラ内蔵 (有効画素数約92万画素) | 720p HDカメラ |
バッテリー駆動時間 (JEITA 2.0) | 約8.2時間 | 約15.0時間 |
本体重量 | 約1.95kg | 約1.66kg |
価格 | ¥94,800 | ¥96,921 |
CPU性能は6倍の差
FMV3515G2Wに採用されているCPUはIntel celeron 6305。
2020年Q4に発売されたCPUで、2コア2スレッドのモバイル用廉価グレードのCPU。
ベンチマークソフト『PassMark』での計測スコアは約2250。
対してIdeaPad slim 550に採用されているCPUはAMD Ryzen5 5500U。
2021年に発売されたCPUで、6コア12スレッドのモバイル用ミドルスペックのCPU。
同じくPassMarkでの計測スコアは約13000。
同価格帯のノートPCに搭載されているCPUだが、その性能差は約6倍に及ぶ。
CPU以外の違い
CPU以外に上記ノートPC2機種で大きな違いがあるとすれば以下。
ストレージ容量はIdeaPad slim 550が2倍の512GB
ノートPCは持ち運びの使い勝手を前提とするなら外付けのストレージは使いたくない。
内蔵ストレージ容量で言えばIdeaPad slim 550が2倍の512GBとなっている。
なおFMV3515G2Wの256GBという数字はOSに割かれる容量などを加味すると想像以上に少なく感じる場合が多い。
液晶の綺麗さはIdeaPad slim 550に軍配
液晶は2機種とも同じく15.6inchだが、その解像度はFMV3515G2Wが1366×768なのに対してIdeaPad slim 550は1920×1080のフルHDと高精細。
採用される液晶パネルのTFTとIPSでは一般的にIdeaPadに採用されているIPSのほうが視野角でも発色でも有利とされており、PC使用時の姿勢を一定に保ちにくいノートPCに於いては綺麗さの実感に直結しやすい。
バッテリー駆動時間の差も2倍近い
JEITA 2.0規格でのバッテリー駆動時間はFMV3515G2Wが約8.2時間。
対してIdeaPad slim 550が約15時間と2倍近い開きがある。
デスクで常に電源接続した状態で使用するなら問題ないが、外出などのデスク以外での使用頻度が高い場合は大きな差となる。
光学ドライブはFMV3515G2Wのみ
光学ドライブの需要は年々減ってきており、搭載するPC自体の数も減ってきている。
ここで比較する2機種ではFMV3515G2Wが光学ドライブを搭載しているため、もしも必要とするならアドバンテージとなる。
が、使用頻度が低いのなら外付けのドライブをひとつ所有しておくことで充分対応できる問題でもある。
富士通FMV Lite3515/G2 FMV3515G2Wのプリインストールソフト
富士通のような和製家電メーカーのパソコンの特徴のひとつとして、豊富なプリインストールソフトが挙げられる。
富士通FMV Lite3515/G2 FMV3515G2Wにプリインストールされているソフトは以下。
(officeは比較の2機種ともに搭載されているため除く)
ソフト | 内容 |
富士通アドバイザー | アドバイス・おすすめの情報を受け取る |
パソコン乗換ガイド | 古いパソコンから新しいパソコンへ設定やデータを移行する |
はじめに行う設定 | 使い始めるために必要な設定をまとめて実施する |
アップデートナビ | ソフトウェアを最新の状態にする |
マカフィー® リブセーフ™ 3年版 | ウイルス対策や、外部からの不正なアクセスを防止する |
詐欺ウォール/Internet SagiWall 3ヶ月体験版 | インターネット詐欺から利用者を守る |
i-フィルター® for マルチデバイス | 有害サイトの閲覧を制限する |
@メニュー | ジャンルや目的からソフトウェアを選んで起動する |
Corel® Digital Studio | 写真や動画を編集・加工する |
Roxio Creator LJB | DVD、CDにデータを保存する |
Corel® WinDVD® | DVDを再生して楽しむ |
Corel® Direct DiscRecorder | DVDを作成したり再編集する |
FMVフォト&ミュージック | 音楽や写真を一元管理する |
筆ぐるめ 29 | はがきを作成する |
プログラミングゼミ | プログラミングを学ぶ |
『ソフ得』ソフト使い放題 by OPTiM | 「『ソフ得』ソフト使い放題」で、100種類以上のソフトを楽しめる |
ふくまろゲームランド | ふくまろと一緒にゲームを楽しむ |
いつもアシスト ふくまろ | 音声やチャットでパソコンを操作できる |
FMVポータル | お客様の「したいこと」からMy Cloudアプリを選ぶ |
My Cloud トピック | 最新のニュースや天気など、便利な情報を見る |
実に20種にも及ぶソフトがプリインストールされている。
これらのバラエティに富んだソフトは、その殆どがWindowsにはじめから備わっている機能、もしくはWEBに公開されている無料ソフトで充分に代替が効くソフトではあるが、それらの機能に自力で辿り着くことが難しいユーザーにとっては非常に有益なものである。
ちなみにこれらのプリインストールソフトも当然ノートPC本体価格に含まれているため、このなかの何本のソフトを実際に使う可能性があるのかは慎重に見極めたい。
富士通FMV Lite3515/G2 FMV3515G2W総評
2022年11月にもっとも売れたノートPCとして富士通FMV Lite3515/G2 FMV3515G2Wを取り上げた。
このノートPCを一言で評するならば「性能よりもプリインストールソフトの充実に多くのコストを割いたPC」と言って差し支えないだろう。
ノートPCを買おうと考えたときに日本人の多くがこのプリインストールソフトにコストを払っているという事からもその価値が伺える。
なおプリインストールソフトがそもそも必要ないという稀有なユーザーにとっては、同じ10万円で比較にならないほど高性能なノートPCを買えるという選択肢があることもこの比較でわかっていただけたのではないだろうか。
比較対象としたLenovo IdeaPad slim 550はこちらから。
▶Lenovo IdeaPad Slim 550