ノートPCは拡張性に乏しいためスペックが辛くなると新しいPCに乗り換えがちですが、OSを無料のChromeOS Flexに換装することでかなり使えるサブPCとして蘇ります。
ChromeOS Flexはこんな人におすすめ
- 使ってない古めのノートPCを所有している
- ちょっと使いのサブPCが欲しい
- お金はかけたくない
- 用途はほぼgoogleクラウド(Chromeブラウザ)で事足りる
ChromeOS Flexを試した経緯と結果
古いノートPCからWindowsを抜いて自作PCに移植してしまったので、古いノートPCはOSが空の状態で放置していました。
約10年使用してスペック的に見どころのないノートPCなので捨てる選択肢もありましたが、試しに無料のChromeOS Flexを載せてみたところ古さを感じさせないサクサク動作で使えるサブPCになりました。
使用したノートPCのスペック
機種名 | マウスコンピューター LB-L472X |
CPU | Intel core i7-4500U 2コア4スレッド 1.80~3.00GHz |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
モニター | 14インチ |
2013年頃におそらく10万円程度で購入したノートPC。
当時はウルトラブック(死語)というカテゴリに属し、薄型軽量、ウェブラウジングなどの軽作業とモビリティに特化したノートPCです。
2023年現在で言えばまさにChromebookと同じようなコンセプトです。
なお当時はストレージの主流はまだHDDで、256GBのSSDを積んだウルトラブックはノマド時代の最先端といった趣がありました。。。
無料OSの選択肢
ノートPCから自作のデスクトップPCへWindowsを移植してしまったので、ノートPCを活用するには新たにOSを載せる必要があります。
自身のPCスキルはごく一般的なレベルでプログラムスキルなどは持ち合わせていないため、GUI(グラフィカルインターフェース)の充実度を最優先で選びました。
結果として選択肢にあがったのは以下の2点。
OS | Ubuntu | ChromeOS Flex |
価格 | 無料 | 無料 |
動作 | 超軽い | 超軽い |
使い勝手 | △ | ◎ |
ビジネス | ◯ | ◎ |
ゲーム | ◯ | △ |
Ubuntu(Linux)
UbuntuはLinuxOSの中でも人気が高く、GUI操作の面でもかなり充実している部類だと思われます。
価格
無料です。
→Ubuntu日本語ページ
動作
LinuxOS全般に言えると思いますが、Windowsに比べて格段に動作が軽い傾向にあります。
Windowsではもっさりとして使い物にならなくなったPCでもLinuxOSならサクサク動いて現役復帰ということも多々あります。
使い勝手
過去にLinuxOSを使ったことがない状態で初めてUbuntuを導入したときには「無料でこんなに使いやすいの!?」と驚いた記憶があります。
しかし、使い込んでいくうちにちょっと込み入ったことをしようとするとほぼ必ずターミナルコマンドの直打ちが必要になってきて、プログラム知識がない身として徐々に辛さを実感するに至りました。
あくまで”使える人”目線で開発しているんだろうなという印象。
ビジネス
一般的に使いそうなアプリや機能はほぼWindowsと変わらないレベルで揃っています。
ググってたどり着いて導入するまでは少し不親切です。
ゲーム
SteamもLinux対応しているので、全てとは言いませんがかなりの数のゲームタイトルがプレイ可能です。
ChromeOS Flex
Chromebook的なことを自前の端末で再現できるOSといった感じでしょうか。
価格
無料です。
→GoogleOS Flex公式
動作
LinuxOSに負けず劣らずサクサクです。
基本的にChromeブラウザくらいしか使わないので要求スペックも低いのでしょう。
使い勝手
Androidスマホやタブレットと基本的には変わりません。
機能やカスタマイズ性ではWindowsやLinuxに大きく劣りますが、初心者でも直感的に使えます。
ビジネス
Googleが提供するクラウドサービスを使うためのOSといった感じで、Chromeブラウザ上で行えること(メールやドキュメント、スプレッドシートなど)ならなんの問題もなく使えます。
処理やデータストレージの大半をクラウドに依存するのでPCのスペックが低くても問題ないんだと思われます。
ゲーム
最近MinecraftがChromebookにも対応しましたが、PCゲームはWindowsが主戦場なのでChromeOS Flexでできることはほぼ無いでしょう。
Androidアプリの一部が対応している場合もありますが、そもそもスマホゲーはあまりしないのでなんとも言えません。
認定モデルではないが問題なく動く
ChromeOS Flexは公式に過去の各社PCモデルを動作検証し、安定動作を保証する「認定モデル」のリストを公開しています。
ちなみに今回使用したLB-L472Xは認定モデルに記載はありませんが、全く問題なく動作しています。
おそらくスペック的に最小要件を満たしていればほぼ動く、くらいの認識でも良い気がしますが、導入の際にはUSB起動でインストールせずに動作を確認することもできるので、気になる方は事前に動作確認してみてください。
ChromeOS Flexの最小要件
- アーキテクチャ: Intel または AMD x86 の 64 ビット互換デバイス
- RAM: 4 GB
- 内部ストレージ: 16 GB
- USB ドライブからの起動をサポート
- BIOS: すべての管理者権限 – 問題が発生した場合、管理者は ChromeOS Flex USB インストーラから起動して BIOS で設定する必要があります。
- プロセッサとグラフィック: 2010 年より前に製造されたコンポーネントは、動作が不安定になる可能性があります。
注: Intel GMA 500、600、3600、3650 のグラフィック ハードウェアは、ChromeOS Flex のパフォーマンス基準を満たしていません。
用途次第ではChromeOS Flexはアリ
Windowsと同じように複雑な作業をガシガシ行いたい方はUbuntuをはじめとするLinuxOSのほうが最終的な使い勝手は上回るかもしれません。
筆者はゲームや画像編集、動画編集、3DCGなどの重い作業はメインのWindowsPCで行い、ちょっとしたウェブブラウジングやライティング、ブログ管理などの作業をデスク以外の場所で行う場合に限定したサブPCとしてChromeOS Flexを使うというスタイルに落ち着きました。
要は使い方次第ですが、無料のOSでお金をかけずにサブPCを増設できる選択肢が広がったのは非常にありがたいことです。