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BTO各社のゲーミングPC 5600X/RTX3070搭載モデルをコスパ比較してみる

ゲーミングデバイス

AMD製CPUのなかでもミドルハイスペックで人気の高いRyzen5 5600XにRTX3070を組み合わせたBTOメーカー各社のゲーミングPCをコスパ比較してみました。

構成パーツと価格の違いに着目して、狙い目モデルを探します。

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BTO各メーカーの5600X/RTX3070搭載モデル

Ryzen5 5600X&RTX3070搭載モデル

メーカー
モデル名
CPU
/GPU
その他
構成パーツ
価格
ドスパラ
GALLERIA XA5R-R37
Ryzen5 5600X
RTX3070
Win10 Home
B550チップセット
メモリ16GB
NVMe 512GB SSD
電源650W
¥194,980
STORM
PG-PD
Ryzen5 5600X
RTX3070
Win10 Home
B550チップセット
メモリ16GB
NVMe 500GB SSD
電源750W
¥209,800
TSUKUMO
G-GEAR GA5A-F210T/CP1
Ryzen5 5600X
RTX3070
Win10 Home
B550チップセット
メモリ16GB
NVMe 1TB SSD
電源750W
¥219,980
パソコンショップSEVEN
ZEFT Gaming PC R25R
Ryzen5 5600X
RTX3070
Win10 Home
B550チップセット
メモリ16GB
NVMe 500GB SSD
電源750W
¥271,480
サイコム
G-Master Spear X570A Ⅱ
(カスタマイズ)
Ryzen5 5600X
RTX3070
Win10 Home
X570チップセット
メモリ16GB
NVMe 512GB SSD
電源750W
¥279,680
アーク
arkhive Gaming Custom
GC-A5G37R
Ryzen5 5600X
RTX3070
Win10 Home
B550チップセット
メモリ32GB
NVMe 1TB SSD
電源750W
¥289,800
ラインナップは2021年5月現在

最安値のGALLERIAはベーシックな構成

まず注目したい価格面では、今回比較した6モデルの中で『ドスパラ GALLERIA』が最安値。

GALLERIA XA5R-R37

▶GALLERIA XA5R-R37詳細ページ(ドスパラ)

これはBTOメーカー最大手であるドスパラの販売台数だからこそ出来る価格設定でもありますが、もう一つの見方をすれば最大手であるドスパラが展開するGALLERIAの構成が『ゲーミングPCのベーシックな構成である』という見方もできます。

実際、他のメーカーがラインナップするモデルは選択するパーツが微妙に違います。
そして、そのパーツの差額に応じて価格設定も違ってきていると考えるのが普通です。

では、パーツの違いに着目してみていきましょう。
なお、パーツごとのメーカーや価格まで見てしまうと比較が複雑になるので、ここではパーツの代表的なスペック(容量など)に絞ります。

電源容量は750W採用モデルが優勢

ドスパラ GALLERIAは650W電源を採用していますが、他社は全て750W電源を採用しています。

当然ここも価格差に反映されるわけですが、ではPCに必要な電源容量はどのくらいが妥当なのでしょうか。

電源容量の考え方

電源容量の考え方には複数の基準があり、かならずしもコレ!といった答えがあるわけではありませんが、例として以下の事項を参考に考えれば大丈夫でしょう。

システム最大消費電力と変換効率

システム最大消費電力とは、PCを構成する各パーツの消費電力を合計した数値です。
Ryzen5 5600Xは定格電力65WRTX3070は定格電力220W、その他マザーボードやSSD、各冷却ファンが消費する電力もすべて足したものがシステムの消費電力となるので、上記にリストアップしたPCはおおむね350W前後になります。
(構成によって差が出るので参考程度に)

では400W~500W電源でも足りるのでは?と思いがちですが、PC電源には変換効率というものがあります。
要は使用できるエネルギーのロスや効率を表す指標なのですが、一般的にPC電源は容量の50%程度で駆動させたときに最大効率となるように設計されているものがほとんどです。

これらのことから『システム消費電力の約2倍の電源容量が適切』と考えるのが自然で、システム消費電力が350W前後であれば電源容量は700Wあたりが良いと考えられます。

電源の劣化と寿命

電源も長く使えば劣化します。
とはいえ個体差も含めると「だいたいこれくらい」と言えるものでもありませんが、フルパワーで回し続けたものと50%出力で回し続けたものだとどちらが早く劣化するかはだいたいイメージできますよね。

あくまでイメージの域を出ませんが、長期使用の劣化を考慮すれば電源容量には余裕があった方が良い、と考えることが出来ます。
(とはいえ近年では電源の品質も上がってきて保証も長期化しています。そこまで危惧する問題でもないのかも知れませんね。)

カスタムの可能性

BTOのゲーミングPCは基本的に一般的に小売されているパーツの集合体です。
なので、部分的にパーツを入れ替えてカスタムすることが容易に行えます。

今は充分なスペックのPCでも数年後にはスペック不足を感じて「グラボを入れ替えたい」「CPUを入れ替えたい」などの欲が出てくることもあるでしょう。
で、換装しようとしたパーツの定格電力が大きくなれば当然システム全体の消費電力も増えるので、必要な電源容量も大きくなります。

そんなスペックアップのためのカスタムの可能性を考えて、少し大きめの容量を選ぶという選択も電源選びには有効な考え方です。

余裕を見るなら750Wだが650Wも問題なし

ドスパラ GALLERIAは650W、その他各モデルが750Wなので、上記の理由を考えれば余裕を見るなら750Wモデルを選択する方が良いという見方が出来ます。

購入したPCを基本構成のまま使用したいのであれば650W、周辺機器を複数接続する前提だったり今後のカスタムの可能性を考えるなら750W、と考えて選択してみましょう。
ちなみにどのモデルもBTOメーカーなので、購入時にパーツ単体で650W→750Wに変更することも可能です。

メモリ16GBとNVMeSSDは標準装備

5600X/RTX3070の構成だとメモリの容量は16GBが標準的であり最低ラインであると言えます。
どのモデルもこのラインに揃っており、使用していて不足を感じることはまず無いでしょう。

動画編集やライブ配信など、ゲーム用途以外での使用を考慮するなら増設や32GBモデルを選ぶのもアリですが、どうしても必要というわけではなく16GBのままで充分対応できます。

ストレージもすべてのモデルがHDDではなくM.2 NVMe SSDを採用しています。
ゲームのロード時間短縮など多岐にわたる恩恵があるので当然ですね。

不足を感じたときはマザーボードのストレージ搭載スペースの空きに合わせてNVMe SSDかSATA SSDを増設することで解決できるので、購入時に無理に大きなものを選ぶ必要もないでしょう。
SSDの方式(NVMeかSATAか)によってもデータ転送速度は違いますが、一般的には違いを体感できるレベルではないのでそこまで神経質に考える必要はありません。

マザーボードチップセットの違い

リストアップした各モデルを見ると大半がB550チップセットを採用、一社だけがX570チップセットを採用しています。

チップセット(マザーボード)は各パーツ間の接続を決定づける重要なパーツで、使用できるCPUやメモリ容量、各パーツ間のデータ転送の規格の違いなどに影響します。

が、これは自作PCで一から構成を考えるときには重要な選択になりますが、すでに組込済みモデルとして販売されているBTO製ゲーミングPCに関しては動作上の問題が無いことが保証されているのでそこまで深く考える必要もないと思っています。

スペックの詳細に詳しいPCマニアから見れば「○○が強化されている!」「○○の点で絶対こっち!」と反論されそうな気もしますが、一般ユーザーが体感できる違いは全くと言っていいほどありません。

BTOメーカーによるその他の違い

ここまで「CPU/GPUが一緒であれば細かいパーツの違いはあまり重要ではない」と捉えられかねない説明をしてきました。

が、ぶっちゃけその通りです。

リストアップしたすべてのモデルが名のあるBTOメーカー製で、どれも動作検証がしっかり行われたうえで販売されているものなので一定以上の信頼度は担保されています。

ではこれらのモデルの価格差はどこから来るのか、という疑問については以下のように考えられます。

パーツ単体の価格差

大まかに同じスペックに見えるパーツでも、パーツメーカーやモデルによって単体の価格は違ってきます。
当然BTO各社が贔屓にしているメーカーも違うでしょうし、仕入れ値も違うでしょう。

ブランド価値を下げるような粗悪なパーツが使用されていることは基本的にありませんが、より良いパーツを選定していることで価格だけではなく耐久性や見えないスペックの差を生んでいることもあると思います。

ケースや冷却性能の違い

パーツ構成ではなかなか見えづらい項目にケースの違いがあります。

透明サイドパネルやLED装飾などの見た目の違いもありますが、メンテナンス性が高いケースだったり放熱性が高い素材だったりという性能差を生むケースもあります。

また、搭載している冷却ファンの品質や数、搭載可能なマウントスペースの余裕もBTOメーカーによって違ってくるポイントです。

基本的には見た目の好みで選択して良いものですが、カスタムや拡張を計画しているなら各搭載スペースの余裕も加味して選びましょう。

価格差には理由があるが・・・

これらの違いを考えれば、当然価格の差はBTOメーカーの利益率以外に品質差にも結びついていると考えるのが自然です。

が、実物を並べて比較でもしない限り違いが判らない、もしくは長年使用してみないと違いがわからないといった『判断しづらい差』であることも多いでしょう。

自分が重視するポイントをしっかり意識して、無駄な出費を避けることも重要な判断基準だと言えそうですね。

大きな判断基準はやはりCPU/GPU

いろいろと比較してきましたが、やはり一番大きな性能差を生むのはCPUとGPUの組み合わせなのでRyzen5 5600X/RTX3070の組み合わせで選んでいる限りはどのモデルにも大きな性能差はありません。

であれば他のモデルにも魅力はありますが、やはり『コスパに優れているのはGALLERIA』であり、どうしても譲れないこだわりがある場合を除けば『GALLERIAが狙い目モデル』であると言うことが出来ます。

▶GALLERIA XA5R-R37詳細ページ(ドスパラ)