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PCケースで選ぶゲーミングPC デザインだけじゃないPCケースの選び方

パソコン情報サイトPC-Z PCの選び方

ゲーミングPCの性能は組み込まれるパーツで決まるため、基本的に同じパーツ構成なら性能も同じ。
では数あるゲーミングPCからどうやってお気に入りの一台を選べばいいのか。

その答えのひとつになるのが『PCケース』です。

管理人
管理人

実はPCの冷却性能やメンテナンス性、購入後のカスタマイズの自由度なんかもPCケースで決まってくる。PCケースは見た目だけじゃない大事な要素のひとつなんです!

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オリジナルPCケースと市販PCケース

BTOショップなどで販売されているゲーミングPCには、大きく分けて2つのPCケースが存在します。

オリジナルPCケース

メリット…ブランドアピール

デメリット…流行や特殊構造の反映が難しい

各ショップやメーカー、ブランドの多くが自社オリジナルのPCケースを開発し採用しています。

PCの見た目はほぼPCケースで決まるため、オリジナルPCケースを採用することで他社との差別化を計り、ロゴや意匠でブランドをアピールしやすいというのが最大のメリットです。ユーザーにとっては「○○のPCを使っている」という所有欲を満たす効果があるとも言えます。

国内BTO最大手ドスパラのゲーミングブランド「GALLERIA」専用SKケース
カラーは黒/ガンメタにホワイトも追加された

また、オリジナルPCケースはそのブランドが扱う様々なスペックのゲーミングPCに幅広く対応するために”汎用性が高い構造”が採用されることが多く、特殊な構造や流行のデザインを取り入れるのが難しい(コスト的にコロコロとデザインを変えられない)というのがデメリットになります。

注)汎用性が高い構造=扱いやすい便利な構造であり、性能面やメンテナンス性においても優れていることがほとんどです。ここではあくまで”デザイン的に突飛なことができない”というデメリットとして述べています。

市販PCケース

メリット…流行の反映が早い

デメリット…ブランドを感じづらい

BTOショップの中には、オリジナルPCケースを製作せずに市販のPCケースを採用しているところもあります。市販のPCケースは必要数だけ発注して組込〜販売が出来るので、オリジナルPCケースと違ってその時々の流行をいち早く取り入れることが出来るというメリットがあります。

パソコンショップarkが手掛けるゲーミングブランド「arkhive」ではAntecのピラーレスPCケースを採用したモデルもラインナップされている

ただし、ショップやブランドのロゴを推しだすことが難しいのでオリジナルPCケースとは逆にブランドアピールが弱いという点がデメリットになります。

一番の決め手はやっぱりデザイン

似たような価格、スペックのPCがあったら、最後の決め手はやはり見た目。デスク周りの環境までカッコよく決めた方が気分が上がります。

流行はホワイト&ピラーレス

2023年あたりから急速に人気を伸ばしているのがホワイトカラーのPCケースやピラーレス構造のPCケースです。

ほぼ黒一辺倒だったPCケース界隈ですが、ここ数年では女性需要が高まったことやライティングの映えが良いということで白いケースやパーツが数多くリリースされています。

また色やライティングに凝ったパーツ群をより良く魅せたいという目的で、PCの中がより広く見渡せるピラーレス構造のPCケースが人気になっています。

FRONTIERのGPLシリーズはピラーレスPCケース&パーツカラーを統一することで見た目にこだわったゲーミングPC

なお、オリジナルPCケースを採用する大手ショップでもホワイトカラーを扱うところは少しずつ増えてきましたが、ピラーレス構造のPCケースは市販品が主で、オリジナルPCケースに取り入れているショップはまだほとんどありません。

クリアパネルとLEDライティングは定番人気

サイドパネルの一部をガラスやアクリルにして透明化し内部をライティングするデザインはすでに定番といってもいい人気デザインです。ただし、開口部の大きさや内部パーツの見え具合はデザインによってかなり差があるので注目したいポイントです。

マウスコンピューターのゲーミングブランド「NEXTGEAR」専用ケースはサイドガラスパネルの開口面積も広くライティングが映えるデザイン

コンパクトPCの選択肢も拡大

特殊な構造のPCケースと言っても様々ですが、ここ最近ではコンパクトPCがかなり面白くなってきています。というのも、CPUに内蔵されるグラフィックチップの性能が飛躍的に高まって、グラフィックボードを搭載しなくても比較的軽量な3Dゲームくらいまでならプレイできてしまうようになったから。

なお、Mini ITXよりも小さい規格のコンパクトPCは構造やパーツがかなり特殊なため「コンパクトPC専門メーカー」でしか扱われない場合がほとんどです。

GEEKOM NUC A8は112.4×112.4×37㎜のコンパクトサイズ

PCケースのサイズは限界性能と密接に関係

PCケースのサイズは大きいものから小さいものまで多々ありますが、これは単純に見た目のデザインだけで決まっているものではありません。

搭載できるパーツの規格や拡張性が密接に関係しています。

マザー規格とPCケースの対応サイズ

PCの内部パーツ(CPUやGPU、メモリやストレージなど)は全て「マザーボード」に接続されます。そしてマザーボードには決まった規格サイズが存在します。

ATX305×244mm
Micro ATX244×244mm
Mini ITX170×170mm
主なマザーボードの規格サイズ

なおPCケースに記載される「ATX対応」や「MicroATX、MiniITX対応」の表記は『その規格のマザーボードを搭載できる』という意味で使用されます。

マザーボードのサイズが大きいほど端子や拡張スロットが多く搭載できるため、間接的にはPCケースが大きい=拡張性が高い=限界性能が高いという傾向があります。

グラボサイズとPCケースの関係

ゲーミングPCであれば基本的に高性能なグラフィックボードが搭載されることになります。が、ここで注意したいのがグラフィックボードのサイズ。高性能なものほど全長や全高が大きくなる傾向にあり、PCケースの内寸によっては「ケース内に収まらない」ことも。

冷却性能はPCケースで決まる?

PCに内蔵されるCPUやGPUはかなりの熱を発します。そして熱いままだと性能の低下や故障の原因になってしまうため、風を当てて熱を冷ましたりPCケースの外に熱を排出したりする必要があります。

冷却のために搭載されるパーツは主に「CPUファン」と「ケースファン」の2種類に分類されます。CPUファンはCPU上部に取り付けられますが、冷却性能が高いものは基本的にヒートシンクのサイズも大きくなるためケース内部に充分な空間が無いと搭載できません。ケースファンはPCケースにあらかじめ設けられたファン取り付けスペースに搭載する為、ケースが小さいと搭載できるファンの数も減り充分な吸排気が行われないことになります。

コンパクトPCケースは性能とトレードオフ

このようにPCケースが大きい=許容できる限界性能が高いという傾向にあり、逆に言えばコンパクトなPCケースは何らかのスペースを犠牲にして成り立っているという意味にもなり得ます。

PCを自作するようになると痛感する”性能とサイズのトレードオフ”の関係なので、パーツ組込済みのゲーミングPCとして購入する時点では気にしなくても良いのですが、後々性能アップのために自分でカスタマイズするかも?という方は少し気にしてみてください。