2022年11月のSteamハードウェア調査でシェアNo.1となったGTX1650。
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ではGTX1650はどんな性能を持っていて、なぜ売れているのでしょうか。
GeForce GTX1650の性能
まずは簡単にGTX1650のスペックを見ていきます。
なおGTX1650にはGDDR5メモリを採用したG5とGDDR6メモリを採用したG6の2種類がありますが、2022年現在売られているモデルはほぼG6となります。
GTX1650(G5) | GTX1650(G6) | |
アーキテクチャ | Turing | Turin |
CUDAコア | 896 | 896 |
ブーストクロック(GHz) | 1665 | 1590 |
ベースクロック(GHz) | 1485 | 1410 |
メモリ構成 | GDDR5 | GDDR6 |
メモリ容量 | 4GB | 4GB |
メモリ速度 | 8Gbps | 12Gbps |
メモリバス幅 | 128bit | 128bit |
メモリ帯域幅 | 128GB/s | 192GB/s |
定格電力(TDP) | 75W | 75W |
メモリ性能としてはGDDR6を採用したG6の方が高いのですが、その分動作クロックをわずかに抑えられているためトータルの性能としてはほぼ変わらないと考えて良いでしょう。
(若干ですがG6のほうが性能は高い傾向にある。)
NVIDIA GeForce RTXシリーズとの大きな違いはRTコア(レイトレーシングコア)とTensorコア(AI)を搭載していない点で、リアルタイムレイトレーシングやDLSS(ディープラーニングスーパーサンプリング)に代表されるRTX特有の機能をGTXシリーズで使用することは出来ません。
現行のGTXシリーズのラインナップは16☓☓番台で、RTXシリーズよりも機能、性能面で劣るかわりに価格を抑えたエントリークラスという位置づけです。
GTX1650の下にはGTX1630もラインナップされていますが、性能的にはゲーミング向けに充分とは言えないローエンドモデルであるため、ゲーミングPCに搭載される目的ではGTX1650が実質的な末弟モデルであると考えて良いでしょう。
他GPUとの性能比較
GTX1650に対して同じくエントリークラスの他モデルをざっくり比較すると以下のような関係性になります。
描画性能(GTX1650比) | 価格 | |
GTX1630 | -30% | ¥16,000~ |
GTX1650 | — | ¥22,000~ |
GTX1660 | +50% | ¥— |
GTX1660SUPER | +70% | ¥27,000~ |
RTX3050 | +70%~ | ¥32,000~ |
エントリークラスでの対抗馬は
・少しでも描画性能を盛るなら1660SUPER
・RTX特有の機能が必要であればRTX3050
・価格を重視するならGTX1650が第一候補
となります。
なおGTX1650、GTX1660、GTX1660SUPERは2022年11月での生産終了の噂があり、その後はエントリークラスの選択肢がRTX3050に限られてしまう可能性があります。
GTX1650のコスパの恩恵を受けられるのも今だけかもしれません。
GTX1650が売れている理由
GTX1650が売れている一番の理由はコスパにあります。
予算10万円の最適解
ゲーミングPCのエントリーモデルを選ぶ際にひとつの目安となる『予算10万円以内』という条件で探した場合にHITするのははほぼGTX1650搭載モデルのみで、それ以外ではグラボを搭載しないCPU内蔵グラフィックスという選択肢になってしまいます。
予算を15万円まで広げれば上位機種であるGTX1660やGTX1660SUPERも選択肢に入ってきますが、そこまで予算を上げずに価格を抑えた中でエントリーモデルを購入したいユーザーにとってはGTX1650が唯一の選択肢となっています。
性能面での満足度
すべてのゲームに「高解像度」「最高画質」「高フレームレート」を望む場合はGTX1650ではパワー不足ということになるので予算を上積みして検討する必要がありますが、エントリークラスのゲーミングPCを選ぶ際の主な目的は「幅広いPCゲームをプレイしたい」ことにあり、GTX1650はこの目的を満たすのに充分な性能を持っています。
一般的な解像度であるフルHD(1920*1080)で、例えば比較的要求スペックが低いFortniteであれば最高画質でもCS機と同等の60fps前後、中間設定程度の画質であれば120fpsを超えるパフォーマンスも可能です。
また比較的要求スペックが高くなりがちなEscape from Tarkovであれば、最高画質でのプレイはさすがに無理がありますが、適度に画質を調整することで60fps前後をキープすることも可能となります。
あくまで価格帯あたりの期待性能として、ということを理解していればGTX1650はエントリークラスとして最適な選択肢になりえるでしょう。
GTX1650搭載ゲーミングPC
IdeaPad Slim 560 Pro ゲーミングエディション
OS | Windows11 home(64bit) |
CPU | AMD Ryzen7 5800H |
GPU | GeForce GTX 1650 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 16inch 2.5K (2560 x 1600) 60GHz |
価格 | ¥118,470 |
LenovoからおすすめはCPUに8コア16スレッドのRyzen7を搭載したパワフル性能で2560*1600の高精細液晶とスリムボディーを採用した妥協しないゲーミングノート。
同性能のデスクトップに液晶を買い足すコストを想定すれば、ノートとして破格のコストパフォーマンスを誇っていることがわかります。
▶IdeaPad Slim 560 Pro ゲーミングエディション 詳細ページ
Magnate IH
OS | Windows11 home(64bit) |
CPU | Intel Core i3-12100 |
GPU | GeForce GTX 1650 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 500GB SSD |
価格 | ¥99,980 |
ドスパラが販売するMagnateシリーズのGTX1650搭載モデル。
CPUは4コア8スレッドの12世代Intel Core i3で、11世代よりもシングルコア性能を大きく伸ばしたゲーミング用途にも強いコスパモデルです。
メモリは8Gと少し心許ない構成ですが、マザーボードのメモリスロットは1つ空いているので不足を感じたら8GB増設して16GBとすることも検討しましょう。
▶Magnate IH 詳細ページ
G-GEAR GA5J-B221/B2
OS | Windows11 home(64bit) |
CPU | Intel Core i3-12100 |
GPU | GeForce GTX 1650 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 500GB SSD |
価格 | ¥119,000 |
TSUKUMOのゲーミングブランドG-GEAR。
CPU/GPU構成は前述のMagnateと同様ですが、マザーボードにASRock B660 pro RSを搭載し500W電源を積んだゲーミングPCです。
性能に不足を感じた時にメモリやストレージの増設、CPUやGPUの載せ替えといった拡張性を重視するなら魅力的な一台です。
▶G-GEAR GA5J-B221/B2 詳細ページ