BTOショップが展開するゲーミングブランドの特徴を、ハイエンドゲーミングPCのパーツ構成から読み解きます。
なお、比較したモデルは
・Intel Core i9-13900K(F)
・NVIDIA GeForce RTX4090
を搭載した各BTOショップのラインナップ中で最も安いモデルとして選定し、カスタマイズはせずに標準パーツ構成で比較しています。
BTOショップ5社のハイエンドゲーミングPCパーツ構成
GALLERIA ZA9C-R49 (ドスパラ) | G-GEAR neo GX9J-S231/ZB (TSUKUMO) | PG-XXT49K (STORM) | ZEFT Z31H (SEVEN) | arkhive Gaming Alliance Powered by MSI GN-I9G49R (アーク) | |
CPU | Intel Core i9-13900KF | Intel Core i9-13900K | Intel Core i9-13900K | Intel Core i9-13900KF | Intel Core i9-13900KF |
GPU | GeForce RTX 4090 (モデル記載なし) | GeForce RTX 4090 (モデル記載なし) | GeForce RTX 4090 (モデル記載なし) | GeForce RTX 4090 (モデル記載なし) | GeForce RTX 4090 (モデル記載なし) |
メモリ | 32GB(DDR5-4800) | 32GB(DDR5-4800) | 32GB(DDR5-4800) | 32GB(DDR5-4800) | 32GB(DDR5-5600) |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe Gen4) | 1TB SSD (NVMe Gen4) crucial P5 Plus | 1TB SSD (NVMe Gen3) | ①2TB SSD (NVMe Gen4) Western Digital Black SN850X ②HDD 4TB SATA3 6Gbps | ①1TB SSD (NVMe Gen4) Samsung 980 PRO ②1TB SSD (NVMe Gen4) Samsung 980 PRO |
マザーボード | Intel Z790 ATXマザーボード (モデル記載なし) | Intel Z790 ATXマザーボード (ASUS PRIME Z790-A WIFI) | Intel Z790 ATXマザーボード (モデル記載なし) | Intel Z790 ATXマザーボード (ASRock Z790 Pro RS) | Intel Z790 ATXマザーボード (MSI MPG Z790 CARBON WIFI ATX) |
CPUクーラー | 水冷 ASETEK 624S-M2 (240mmラジエーター) | 空冷 Cooler Master HYPER 212 EVO V2 | 水冷 Phanteks GLACIER ONE 240 T30 (240mmラジエーター) | 水冷 Deepcool LS720 (360mmラジエーター) | 水冷 MSI MAG Core Liquid 360R (360mmラジエーター) |
電源 | 1000W 80PLUS GOLD (モデル記載なし) | 1000W 80PLUS GOLD (G-GEAR電源 CSZ1000V5GGP) | 1200W 80PLUS GOLD (モデル記載なし) | 1200W 80PLUS PLATINUM (Corsair HX1200) | 1200W 80PLUS GOLD (NZXT C1200 Gold) |
LAN | 有線)オンボード2.5Gb 無線)無し | 有線)オンボード2.5Gb 無線)Intel Wi-Fi 6 | 有線)オンボード2.5Gb 無線)Intel Wi-Fi 6 | 有線)オンボード2.5Gb 無線)Intel Wi-Fi 6 | 有線)オンボード2.5Gb 無線)Intel Wi-Fi 6 |
ケース | ガレリア専用 SKケース | Cooler Master MC500P カスタマイズ | PH-EC360ATG_BK04_JP | Cooler Master MasterBox CM694 TG | MSI MPG QUIETUDE 100S |
価格(税込) | 499,980 | 558,250 | 489,800 | 593,780 | 539,800 |
パーツ選定の傾向は『価格重視』か『品質重視』
ゲーミングPCとしての性能の大部分はCPUとGPUの性能によって決まるため、上記の5モデルの性能に大きな差はありません。
そのうえで、CPUやGPU以外のパーツに何を採用しているかがBTOショップとしての特徴になります。
ドスパラは『価格重視』
ドスパラは上記のショップの中では規格や容量の面で劣るパーツを多く使用しています。
例)
・メモリ規格がDDR5-4800(アークはDDR5-5600)
・ラジエーターサイズが240mm(SEVEN及びアークは360㎜)
・電源容量が1000W(SEVENは1200W PLATINUM)
ただし、これらはあくまでドスパラが考える「必要充分な性能や品質」は検証、確保したうえで選定されているため、ドスパラのゲーミングPCの性能が大きく劣るというものではありません。
むしろ過剰品質を避けることでパーツ単体の価格を極力低く抑え、ユーザーにとって買いやすい価格に設定する事ができるというメリットをもたらしています。
そのうえで購入時にパーツのアップグレードを選択できるのもBTOの強みですから、価格重視のベース構成で気になる点があれば積極的に利用するようにすれば良いでしょう。
▶ドスパラのゲーミングPC『GALLERIA』の口コミや評価は意外と悪い?
パソコンSHOPアークは『品質重視』
アークとSEVENの2モデルは全般的に高規格パーツをふんだんに使用しており、価格を下げることよりもハイパワーマシンをよりベスト(安定的且つ高耐久)な状態で使用できるように品質を重視して選定、組み上げをしていることがわかります。
電源を例にするならば、システムに必要な電源容量に対してより大きな容量の電源を選ぶことで限界量に対する余裕ができ、稼働中の負荷を相対的に下げることが出来るため、安定性と耐久性、さらには駆動騒音の点でも有利に働きます。このような一般ユーザーでは体感しづらいポイントまでしっかりと考慮してパーツ選定しているという安心感がメリットのひとつだと言えるでしょう。
▶パソコンSHOPアークが手掛けるハイエンドゲーミングPC『arkhive』の特徴と推しポイント
価格だけではなくパーツ構成を見て判断する
「安かろう=悪かろう」でもなければ「高い=利益優先」というわけでもなく、パーツ構成を見ればBTOショップごとの特徴や理念を知ることが出来ます。
自分のスキルに合わせて選ぶ
例えばPCを自分でいじらない/いじれないユーザーは、スペックアップが必要になったときにはPCの買い替えを検討します。であるならば、PCは欲しい性能を備えたうえで少しでも安い方がいいでしょう。
そのようなユーザーにはドスパラ「GALLERIA」やマウスコンピューター「NEXTGEAR」のような価格構成に優れたブランドをオススメします。
逆にPCを自分でいじることが出来るユーザーは、スペックアップが必要になったときに必要なパーツを買い足して自分で組み込むことを検討します。であるならば、パーツは組み替えながら使いまわすことを前提として高耐久高規格な方が長い目で見てお得になるでしょう。
そのようなユーザーにはアーク「arkhive」のような品質重視で組み上げられたブランドをオススメします。
このように、パーツ構成と自分のスキルや優先条件を考慮すれば、自分にとって本当に価値の高いBTOショップやゲーミングPCを見つけることが出来ます。