2023年1月のSteamハードウェア調査の結果から、コア数別CPU使用率を見て現在のPCゲーマーの主要スペックと傾向を探ってみます。
Steam ハードウェア調査とは
Steamでは毎月、ユーザーが使用するハードウェアの集計結果を公表しています。
CPUやGPU,OSなどいろいろな集計結果が見られるのでゲーミングPCを購入する際のスペックの目安としてもかなり役立ちます。
Steamユーザーのコア数別CPU使用率(2023年1月)
以下は2023年1月集計のSteamユーザーのコア数別CPU使用率をグラフ化したものです。
コア数のみの集計なので数値やグラフから明確にCPUメーカーやモデル名を判別することはできませんが、ここ2~3年のCPU主力モデルを当てはめると以下のようになります。
※メーカーの内訳ではIntelが66%強、AMDが34%弱という結果は出ています。
コア数 | 解説 |
2コア | celeronやPentiumGoldシリーズなど、1万円前後で買える廉価CPUが該当するコア数。 ちなみにCore i3が2コアだったのは10年前。 CPU性能をそれほど必要としないライトユーザー層が軽いゲームをプレイするために使用か。 |
4コア | Intel Core i3シリーズやAMD Ryzen3シリーズが該当するコア数。 CPU単体では10,000~25,000の価格帯。 搭載されるゲーミングPCとしてはエントリー~ミドルロークラス相当のスペック帯が主か。 |
6コア | Intelでは第12世代Core i5、AMDではRyzen5シリーズが該当するコア数。 CPU単体では20,000~55,000程度と価格帯は幅広い。 ミドルハイスペック相当のものからミドルロー、エントリースペックまで 広くラインナップされ 搭載されるゲーミングPC販売数としても主力となる売れ筋スペック帯。 |
8コア | Intelでは第11世代Core i7、i9、AMDではRyzen7が該当するコア数。 CPU単体では発売時で50,000~70,000程度の価格帯。 ミドルハイ~ハイスペック相当のゲーミングPCに搭載され、ゲーム以外にもクリエイティブな作業や マルチタスク性能を重視する用途で選ばれる傾向がある。 |
10コア | Intel第12世代Core i5-12600K及び第13世代i5-13400で採用されるPコア6+Eコア4のCPU構成。 6コア(Intel Core i5シリーズやAMD Ryzen5シリーズ)に代表されるミドルスペック帯の 延長線上にあるラインナップと考えてよい。 |
12コア | Intelでは第12世代Core i7-12700、AMDではRyzen9シリーズが該当するコア数。 i7が40,000~60,000程度、Ryzen9は70,000~90,000程度と担うスペック帯が違うため 価格帯もばらける。 Ryzen9はハイエンドクラスを担うフラッグシップモデルであり 搭載されるゲーミングPCも当然ハイエンド構成となる。 |
14コア | Intel第13世代Core i5-13500/13600に採用されるPコア6+Eコア8のCPU構成。 6コアのi5シリーズやAMD Ryzen5シリーズに代表されるミドルスペック帯の 延長線上にあるラインナップと考えてよい。 |
16コア | Intel第12世代Core i9及び第13世代Core i7、AMDではRyzen9シリーズでも上位クラスに 該当するコア数。 価格帯は80,000~120,000と高く、性能面でもハイエンドモデルを担うスペック帯。 |
24コア | Intel第13世代最上位モデルであるCore i9-13900シリーズ、 AMDではRyzen Threadripperに採用されるコア数。 i9-13900はIntelの最新フラッグシップモデルで100,000~120,000程度の価格帯。 Threadripperに関してはかなり特殊なラインナップなのでここでは誤差程度に捉えてよいかも。 |
6コアのミドルスペックCPUが最多使用率を占める
最も使用率が高いCPUは6コアCPUで約33%。
これは最近のモデルではIntel Core i5やAMD Ryzen5に代表されるミドルスペック帯のCPUが該当するものと思われます。
6コア12スレッドでシングルコア/マルチコア性能ともにバランスが取れ、価格面でも単体で4~5万と買いやすく、ゲーミングPCとしてはスペックバランス的にRTX3060~RTX3070あたりのミドルスペックGPUと組み合わせて搭載されることが多いCPUです。
2022~2023年での人気モデルを挙げるとすれば、IntelはCore i5-12400、AMDはRyzen5 5600Xあたりになるでしょう。
どちらも準最新世代で、ゲーミングに於いて充分な性能を有しながらコスト面でもかなりお買い得感のあるCPUです。
コスパ重視の4コアCPUが使用率2位
次いで使用率が高いCPUは4コアCPUで約29.6%。
最近のモデルではIntel Core i3シリーズやAMD Ryzen3シリーズが該当するものと思われます。
4コア8スレッドとマルチコア性能では少し見劣りする場面もあるためクリエイティブな作業などにはアドバンテージを感じにくいですが、ゲームタイトルでは依然としてシングルコア性能を重視するものも多く、ゲーミングシーンにおいてパワー不足を感じることはそこまで多くないでしょう。
というか最近のPCパーツは必要以上に高性能化している感もあり、実は普段使いのプライべートPCであればCore i3やRyzen3で充分だという考え方も非常によくわかります。
ミドルハイスペック帯の8コアCPUが使用率3位
使用率3位は8コアCPUで約18.9%。
これには第11世代までのIntel Core i7とAMD Ryzen7が主に該当するものと思われます。
特徴としてはシングルコアあたりの性能はCore i5やRyzen5とそこまで大きな差はなく、コア数/スレッド数を増やしたことによるマルチコア性能を重視して導入するケースが多いCPUだと言えるかも知れません。
ミドルハイ~ハイクラスとして分類される8コアCPUは、ゲーミングPCのスペックバランス的にRTX3070~3080あたりの同じくミドルハイ~ハイスペック帯のGPUと組み合わせて搭載されることが多く、このあたりの性能からフルHDだけではなく2K~4Kでの運用も現実的に視野に入ってきます。
逆に言えば、ゲーミング環境として約65%がフルHD解像度でプレイしている(これもSteamハードウェア調査による)ことを考えれば、ゲームプレイに限って言えば8コアを超えるようなCPU性能を必要とする局面はそこまで多くないということでもあるのかもしれません。
ゲームだけではなく動画編集や動画投稿、ライブ配信などクリエイティブな用途を想定するなら視野に入れたいスペック帯であるとも言えます。
Intel第12・13世代Coreの普及はそこまで進んでいない?
CPUコア数で言えば、Intelの第12世代Core以降はPコアとEコアという2種類のコアを搭載し、10コア12スレッドや14コア20スレッドという特殊なコア数表記となります。
Steamハードウェア調査からはこれらが該当するCPUの使用率はどれも2%前後と低く、2023年1月時点ではそこまで普及していないように読み取れます。
理由としてはIntel第12世代Core以降(AMD Ryzenでは7000シリーズ以降)は対応するメモリの規格がDDR4→DDR5へと進み、合わせてマザーボードも対応品に買い替える必要があるため購入、乗り換え費用が高くなりがちという事情が影響しているのかも知れません。
今後対応するパーツ数、販売数が増えてくれば価格も小慣れて来るものと思われ、2023年中にどの程度普及するかはPCゲーマーにとってひとつの関心事となっていますが、現状では新モデルの登場により価格を下げた準最新モデルのコスパのほうが魅力的であると感じるユーザーが多いのでしょう。
ただし、パーツ単位ではなくゲーミングPC本体として購入する場合はその限りではありません。
CPUだけの乗り換えと違って関連パーツ一式の購入が前提となるのであれば対応規格の違いによるコスト増を気にする必要は無く、この機に最新モデルCPUを軸にしたゲーミングPCの購入に踏み切るのは大いにアリな選択肢です。