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コスパ重視のオーディオミキサー『FIFINE SC3』 機能やノイズ対策、2PC配信での使い勝手など正直レビュー

コスパ重視で売れ行き好調のオーディオミキサー『FIFINE SC3』について、各機能やノイズ対策、2PC配信での使い勝手などを正直にレビューします。

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FIFINE SC3評価

筆者が考えるFIFINE SC3の評価結果です。

使用期間は記事執筆時点で1ヶ月以上。普段のオーディオボリューム操作や、Twitchでのライブ配信、Youtube動画作成のマイク接続に使用しています。

機能・特徴評価補足
本体価格同ジャンルのまともな他社製品は2万円超が当たり前。
その中で6〜7千円で買えるコスパは◎。
外観プラ素材で高級感は無い。
作りの粗さは気にならないが、デザインは若干チープか。
操作感ボタン、スライダーともに適度に抵抗感があって誤操作しづらい。
本体は軽いがウラ面にラバーの滑り止めがあるため操作時に
ズレるようなことはない。
シンプル機能で直感的に操作できる。
マイク入力XLR端子のコンデンサーマイクとダイナミックマイク両方に対応。
さらにヘッドセットマイクも使用可能。(XLRとの併用は不可)
決してハイエンドとは言わないがノイズもなく必要十分な音質。
スピーカー
/ヘッドホン出力
音質は標準的で問題ないが、若干ノイズが乗りやすい。
ただしノイズ対策は可能。
LINE IN×外部から音を取り込めるが
マイク音声とくっついてPCへ入力されてしまうため実用性が薄い。
ピッチコントロール×マイク音声のピッチを調整出来る機能だが使い道は?。
ボイスチェンジャー×プリセットの数パターンから選べるが、調整不可で実用性は薄い。
CUSTOMボタン×A~Dの4ボタンそれぞれに録音してポン出しできる機能。
ただし編集機能や調整機能はなく、音はマイク音声とくっついて
PCへ入力されてしまうため実用性が薄い。
LEDライティングプリセットの数パターンから選べるが、
発行面積が大きいため基本的に目に五月蝿い。
ドギツいライティングが好みならまぁ…。

詳細は以下に続きます。

FIFINE SC3とは

FIFINE SC3とは、中国のオーディオ機器メーカー「FIFINE」から販売されているオーディオミキサーです。

PCやPS5に対応し、オーディオスピーカー、ヘッドホンやイヤホンの接続や出力レベルのコントロールに加え、XLR端子によるマイク接続や入力レベルのコントロールなどを行うことが出来、ゲーム中のボイスチャットや動画、ライブ配信などの用途で使用されます。

また同じオーディオミキサー/オーディオインターフェースジャンルの他社製品に比べて抜群のコスパを誇っていることから、エントリーユーザーを中心にリーズナブルでもしっかり使える機材を求める層に人気を博しています。

FIFINE SC3本体価格

ライブ配信などで人気のオーディオインターフェースの定番と言えばYAMAHA AG03MK2やAG06MK2。これらは実勢価格で2万円程度です。
またその他の著名メーカー製(オーテク、モツなど)のオーディオミキサー、オーディオインターフェースも安いモデルで相場はおおよそ2万円前後。

もちろん機能の違い、性能の差はありますが、主な用途であるXLR端子のマイク接続及びコントロールの機能を問題なく使用できるFIFINE SC3が6~7千円で購入できるというのはとても有効な選択肢のひとつになると思われます。

オーディオ機器は、ある程度の性能を超えると”プロしかわからないマニアックな性能差”を競うことになりがちなある種の自己満機材という側面もありますから、「そこまでこだわらない」ユーザーを下支えする意味ではかなり魅力的な価格設定だと言えるでしょう。

マイクと音質

音質の良し悪しはある程度のレベルを超えると個人の主観によるところが大きくなるので最終的には「自分で試してみて」としか言えない部分もありますが、ゲーム内のボイチャや動画、ライブ配信などの用途に限って言えば、少なくともFIFINE SC3と高額高性能なオーディオミキサー/オーディオインターフェースを比較した場合「素人では判別できない程度=よほどこだわらなければ必要充分」な性能は満たしています。

スピーカー/ヘッドホン出力

音質自体は特に問題ないと思います。もちろん「音質が劇的に向上する」といったような効果はありません。

また使用環境にもよりますが、「LINE OUT」及び「HEADPHONE」端子から出力される音に関しては若干ノイズが乗りやすいように感じます。気になって各種販売サイトのレビューを読み漁ってみましたが、同じように感じられている書き込みも数件あったので”気のせい”ではないようです。

ただし、ノイズをキャンセルする以下のような製品を間に噛ますことで改善する場合もあります。筆者の環境ではヘッドホンに乗ってしまうノイズを除去することが出来たので、気になる方は試してみても良いかもしれません。※効果を保証するわけではありません。

LINE INは微妙

FIFINE SC3の「LINE IN」端子は本機を接続するPC(やCS機)以外の外部機器から音を取り込むことが出来ます。

取り込んだ音は「LINE OUT」や「HEADPHONE」から出力されるので、PCからの音と同時にスピーカーやヘッドホンで聞くことが出来ます。ただしLINE INに入力した音はFIFINE SC3を接続するPC(やCS機)にも出力され、その際にマイク音声とくっ付いて出力されてしまい分離することが出来ません。

おそらくLINE IN端子はマイクと同時使用することは想定しておらず、CUSTOMボタンの録音用として搭載された意味も強いのではないかと推測しますが、CUSTOMボタン自体がそんなに使える機能ではないので結果的にLINE IN端子もかなり微妙な機能になっています。

2PCやPC+CS機の配信では非常に惜しいLINE IN

例えば2PCで配信を行う場合(もしくはCS機の映像+音声をPCに取り込んで配信する場合)、LINE IN端子を使えば両方のPCの音をミックスしてひとつのヘッドホンで聞くことが出来で便利なのですが、残念ながらLINE INから入力した音はマイク音声とくっ付いてPCへ出力されてしまいます。

マイク音声はOBSなどの配信ソフト上でノイズフィルターをかけて使用することが多いのですが、ゲーム音が同じチャンネルで同時に鳴っているとそれが出来ません。

ゲーム音はキャプチャーボード経由でPCに取り込んでいる場合がほとんどだと思うので、できればLINE INで取り込んだ音は「PCへの出力をONOFFできるように」してほしかった。これが出来ればFIFINE SC3はコスパだけでなく機能面でももっと使えるヤツになれた気がするんですが…。

SC3接続イメージ
2PC接続イメージ

その他機能はあくまでオマケ

LEDライティング、ピッチ調整、ボイスチェンジャー、CUSTOMボタンはあくまでオマケのおもちゃレベルの機能です。

というのも、FIFINE SC3はPC側で何らかのアプリと連動して調整できるような機能は無く、基本的にSC3本体単独で動作するように出来ています。そのためこれらの機能はデフォルト搭載のプリセットのまま使用するしかなく、細かい調整が行えません。

正直に言えば無くても全然困らない、むしろ無いほうがコンパクトで良かったかもしれないという性質の機能なので、過度な期待はしないようにしましょう。

FIFINE SC3総評

無駄な機能は多いですが「XLRマイクが真っ当に使用できてこの価格」というだけでかなりコスパの良いオーディオミキサーだと思います。しかもこの「コスパ重視のオーディオミキサー」ポジションではまともに使えそうなライバル製品が無いので、現状はFIFINE SC3の独壇場と言えるかもしれません。

「品質重視、音質命」のユーザーには決してお勧めしませんが、「安くてちゃんと普通にマイクが使えれば良い」という用途であればかなりおすすめできるオーディオミキサーだと思います。

「まずは一式揃えたい。」「高い機材を揃える前に試しに一通り使ってみたい。」という場合は選択肢に入れて良いでしょう。