Steamのハードウェア調査(2024年2月データ)から、2024年春〜夏におすすめのゲーミングPCのスペックを解説します。
SteamシェアTOP
Steamハードウェア調査(2024年2月データ)に於いて最もシェアの高かったPCスペックです。
OS | Windows10 64bit | 54.19% |
CPUメーカー | Intel | 67.91% |
CPU | 6coreCPU (2.3~2.69GHz) | 34.12% (22.31%) |
メモリ | 16GB | 49.04% |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 3060 | 6.17% |
ストレージ | 1TB以上 | 56.57% |
モニター | 1920×1080 | 58.82% |
モニター(複数) | 3840×1080 | 58.72% |
全体ではミドルスペックに相当するゲーミングPC構成と言えます。ハイパワーとは言えないまでもオールジャンルのゲームを快適にプレイ可能で、一部のヘヴィ級タイトルを除けば設定次第で高fpsのヌルヌルプレイも可能です。
このシェアデータから、2024年にゲーミングPCを新規購入する際のおすすめスペックを解説します。
パーツ別解説
OS
SteamユーザーのOSはWindows10がトップで次にWindows11(41.96%)が続き、この2つのOSだけでシェアは96%を超えています。
2024年現在、新規購入時はWindows11が主になりますが、10と11であればどちらを選んでも問題ありません。
CPU
CPUメーカーのシェアはIntelがトップで、次にAMD(32.05%)が続きます。新モデルの販売開始時期によって多少の変動はありますが、ここ数年は常にIntelが60〜70%前後のシェアをキープしている状況です。なおIntelとAMDでどちらが有利不利ということは基本的になく、モデルごとの性能を重視して選べばOKです。
コア数は6コアがトップで、次に4コアと8コアが共に約20%のシェアとなっています。Intel CPUの動作クロックは2.3〜2.69GHzがトップであることから、以下のCPUが実質的に高シェアを誇っていると言えるでしょう。
CPUモデル名 | コア数 | 動作クロック |
---|---|---|
Intel Core i5-11400 | 6core | 2.6GHz(4.4GHz) |
Intel Core i5-12400 | 6core(P6:E0) | 2.5GHz(4.4GHz) |
2024年現行モデルで言えば以下が同クラスの後継モデルになります。新規購入時はこれらを目安に選びましょう。
CPUモデル名 | コア数 | 動作クロック |
---|---|---|
Intel Core i5-13400 | 10core(P6:E4) | 2.5GHz(4.4GHz)※ |
Intel Core i5-13500 | 14core(P6:E8) | 2.5GHz(4.8GHz)※ |
Intel Core i5-14400 | 10core(P6:E4) | 2.5GHz(4.7GHz)※ |
Intel Core i5-14500 | 14core(P6:E8) | 2.6GHz(5.0GHz)※ |
メモリ
メモリ搭載量は16GBがトップで49.04%。次いで32GBが27.19%となっています。
ゲーム用途においては16GBあればほとんどのケースで問題なく、ゲーミングPCとして販売されている各モデルにおいてもメモリは16GBのものが大半です。ただしメモリ搭載量は多ければ多いほどゲーム及びその他PCの動作全般が快適になる傾向があり、マルチタスクやクリエイティブな用途でも有利に働きます。余裕があれば32GBor64GBにアップグレードすることをおすすめします。
GPU
GPUはNVIDIA GeForce RTX 3060がシェアトップで、その後にエントリースペックのGTX 1650が続いています。
RTX 3060はゲーム全般オールジャンルで快適にプレイできるミドルスペックGPUで価格とのバランスも良いため人気ですが、欲を言えば後継機のRTX 4060がすでにリリースされているため新規購入&現役寿命を見据えるならRTX 4060を選んだほうが良いでしょう。
下を見るならばエントリークラスのGTX 16~シリーズになりますが、こちらは価格以外にメリットが少なく今後はスペック不足を感じるケースも増えると思われます。(なおGTXシリーズは現ラインナップをもって廃止されることが決定しています。)
上を見るならばRTX 4070(Ti/SUPER)がコストと性能のバランスに優れており、今後はRTX 4060~4070(Ti/SUPER)あたりのミドル〜ミドルハイクラスがシェアを伸ばすものと予測できます。RTX 4080〜4090はハイエンドクラスに属し価格もスペックも跳ね上がりますが、一般のゲーマーには正直オーバースペックかも知れません。
下表はGPUシェアのTOP20で、さらに半年前のシェアデータと比較してシェアの増減の色分けを行っています。
ストレージ(SSD)
ストレージは1TB〜が50%以上を占めています。
ゲームタイトルによっては1タイトルで50GB前後の容量を喰うこともザラで、同時期に複数本のゲームタイトルをインストールしておくには500GBでは早い段階で不足を感じることになります。そのためストレージに関しては最低でもSSD1TB以上を搭載することをおすすめします。ゲームプレイ動画の録画や編集、SNSへの投稿を考える場合はさらに上積みも検討しましょう。
なおHDDではゲームデータの読み込みに時間がかかってストレスが大きい為、ゲーム用途では必ずSSDを選んでください。
モニター
モニターは1920×1080(フルHD、1080P)が58%を占め、複数モニターで見ても3840×1080(1920×1080を2枚)が58%を占めています。
2K〜4K、場合によっては8K出力に対応したGPUやゲーミングモニターも増えてきましたが、ゲーム用途に関してはフレームレートを重視してフルHD(1920×1080)で充分と感じるユーザーが優勢のようです。実際、2Kや4Kでゲームをプレイするには設備にかかる金額が大きく、それでいて描画負荷が高いためフレームレートが落ちるというデメリットも大きいため、今後もゲーム用途での主流は1920×1080のモニターが占めることになります。
なお、ゲームタイトルによって左右される前提ですが性能的にはRTX 4070〜で2K、RTX4080〜で4Kのゲームプレイが快適性を維持できる現実的な最低ラインになると思って良いでしょう。
シェアデータから選ぶゲーミングPC例
Steamユーザーのハードウェア調査はあくまで「現時点」でのシェアデータなので、新規購入を検討する場合は後継モデルの存在や今後数年の現役寿命も加味して考えます。
シェアTOPのパーツ群と同じミドルスペック帯で考えれば、以下のようなスペックのPCがおすすめです。
オススメ1 | オススメ2 | オススメ3 | |
---|---|---|---|
OS | Windows10or11 | Windows10or11 | Windows10or11 |
CPU | Core i5-14400 | Core i5-14400 | Core i7-14700 |
メモリ | 16GB | 32GB | 64GB |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 Ti | RTX 4070 (SUPER) |
ストレージ | SSD 1TB | SSD 1TB | SSD 1TB |
モニター(目安) | 1920×1080 | 1920×1080 | 1920×1080〜2560×1440 |
オススメ1はSteamハードウェア調査でシェアトップとなったミドルスペックゲーミングPCを現行の後継モデルで組んだ場合のイメージです。
さらにオススメ2及び3についてはスペックを盛りたい場合のグレードアップ例です。
オススメ2はミドルスペックながらGPUに余裕を盛る場合。
オススメ3は1ランク上のミドルハイスペック帯にステップアップする場合のイメージです。