2025年冬のPC市場は「AI PC」一色です。しかし、最新の技術がすべての人にとって「買い」とは限りません。
「AI」という言葉の魅力だけで高額なPCを選んでしまい、「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性もあります。この記事では、あえて「待った」をかけ、AI PCのデメリットと、今買うべきでない人の特徴を冷静に分析します。
記事の要点(結論)
AI PCは「万能」ではない
話題のAI PCですが、すべての人におすすめできるわけではありません。明確なデメリットも存在します。
- デメリット①:価格が高い
NPUは最先端の技術であるため、搭載PCは高価になりがちです。多くが15万円を超える価格帯となっています。 - デメリット②:NPUは「AI専門」の頭脳
NPUはAI処理(推論)には強いですが、それ以外の一般的な作業(Excelの計算やWebの表示)を直接速くするわけではありません。 - デメリット③:ソフトウェアがNPUに未対応だと無意味
あなたが使っているソフトがNPUの活用に対応していなければ、NPUは「宝の持ち腐れ」になってしまいます。
結論
PCの用途が「Web閲覧、動画視聴、簡単なOffice作業」が中心で、特にAIの新機能に興味がない場合、高価なAI PCを選ぶメリットはほとんどありません。
AI PCの「3つの落とし穴」
AI PCの購入を検討する前に、知っておくべき3つのデメリットを解説します。
1. デメリット①:価格が高い
NPUは高度な半導体技術で製造されるため、従来のCPUやGPUよりもコストがかかります。その結果、NPUを搭載したAI PCは、全体的に価格が高くなる傾向があります。
2025年冬のボーナスの使い道として「貯金・預金」を最優先に考える人が多い中で、15万円を超えるような高価なAI PCは、慎重になるべき出費です。「AI」という言葉の響きだけで、必要以上のコストを払っていないか、一度立ち止まる必要があります。
2. デメリット②:NPUは「AI専用」で、汎用性が低い
AI PCのNPUは、AIの推論処理(画像認識や自然言語処理など)に特化した「専門家」です。これをCPU(汎用的な計算が得意な「総務」)やGPU(画像処理が得意な「デザイン部」)に例えると、NPUは「AI戦略室」のようなものです。
NPUは、Web会議の背景ぼかしやCopilotの応答といったAIの仕事は高速にこなしますが、 AIと関係ない作業(Excelの単純な計算や、Webページの読み込み速度)を直接速くするわけではありません 。
AI機能を多用しない人にとっては、NPUは「普段まったく仕事が回ってこない専門部署」のような存在になりかねません。
3. デメリット③:使うソフトが「NPU対応」でなければ無意味
これが最大の落とし穴かもしれません。どれだけ高性能なNPUを搭載したPCを買っても、 あなたが日常的に使うソフトウェア(アプリ)がNPUの活用に対応していなければ、NPUは一切仕事をしてくれません 。
もちろん、Windows OSレベルでのAI機能(Copilotなど)はNPUを活用しますが、例えばあなたが「動画編集ソフトA」や「特定の業務ソフトB」を使っている場合、そのソフトがNPUに対応するようアップデートされていなければ、NPUはただの「お飾り」になってしまいます。
【結論】AI PCを「買うべきでない」人の特徴
以下の特徴に当てはまる人は、2025年冬の段階で、無理に高価なAI PCを選ぶ必要はありません。
- PCの主な用途がWeb閲覧、動画視聴、SNSである
- 仕事では簡単なWordやExcelの入力・編集がメインである
- CopilotなどのAIアシスタント機能に、今のところ魅力を感じない
- PCの購入予算を15万円以下、できれば10万円前後で考えている
もし上記に当てはまるなら、「AI」という言葉に惑わされず、ご自身の予算と用途に合ったPCを選ぶのが最も賢明な選択です。
NPU非搭載の従来型PCや、少し前の世代のGPUを搭載したPCでも、あなたの使い方なら十分すぎるほどの性能を持っています。あえて「型落ち」やセール品を狙うことで、AI PCに払うはずだった予算を「貯蓄」に回したり、他の使い道に充てたりすることができるはずです。
