足音で敵の位置を知ることが出来るFPSでは音の聞き分けが重要らしいので、スペクトログラムで解析してみました。イヤホンやヘッドホンの「低音が強いから足音がよく聞こえる」みたいなレビューは果たして本当なのでしょうか?
音域と周波数
よく「低音」とか「中高域」とかいう言葉で音域を表現しますが、ザックリ調べた感じでは周波数帯の認識は人やサイトによって結構バラバラっぽいです。
参考までに、以下はヤマハのサイトから。
音域 | 重低音 | 低音域 | 中音域 | 高音域 |
周波数 | 20 ~100Hz | 20 ~600Hz | 800 ~2,000Hz | 4,000 ~20,000Hz |
タルコフのゲーム音をSpectrogram解析
タルコフ -Ground Zero-①
①Scavの足音(走り)(近距離)
Scavが近距離(キャプチャー画像の位置)を走る音。床はコンクリ。距離は10~15mくらい?
だいたい150~1500Hz、中でも400Hz前後が音のコアっぽい。
②Scavの鳴き声
③PMC(自分)MP133を発砲
④PMC(自分)エレベーター内でショルダーピーク(歩き)
遮蔽(エレベーター左扉)に隠れながらピークしている足音。金属床なのでカンカン鳴ってる。
200~800Hzくらいが音のコアっぽい。
⑤Scavの足音(歩き)(中距離)
撃たれて距離をとったScavの足音。歩きながら遠ざかってるような小さくジャリジャリと鳴る音。
距離は20~30mくらい?
1000Hz前後と2100Hz前後に少し強めの反応。
⑥ ④と同じ状況
引き続きScavの位置を探りながらショルダーピーク。
タルコフ -Ground Zero-②
①PMC(自分)がDead Scavを漁っている音
ガサゴソガサゴソ。
②Scavの足音(走り)(近~中距離)
デッドスカブを漁っている途中に気付いたScavの走る音。床はコンクリ。15~20mくらい?
コンクリに響くコツコツ音は300Hz前後、砂利やガラス片っぽいジャリジャリ音は1500Hz前後。
③Scavが立ち止まる音
走っていたScavが急停止するズザーッていう音。2500Hz前後が一番強い。
④Scavの鳴き声
⑤PMC(自分)が立ち位置を変える足音(歩き)
Scavの位置を確認しながら歩いて位置を調整する音。400Hz前後が靴音っぽい。
⑥PMC(自分)が立ち位置を変える足音(歩き)(ガラス片)
⑤に引き続き、歩いて敵を探りつつ立ち位置の調整。キャプチャー画像くらいのタイミング。
下がガラス片で足音にジャリジャリ音が乗っている。ガラス片は1100Hz前後に強く出ている。
⑦Scavの足音(走り)(中距離)
おそらく20~30m程度の距離でScavがタッタッタッと走る音。
1000Hz前後と2200Hz前後に強く出ているが、全体的に弱い音。
⑧PMC(自分)がMP133を発砲
タルコフ -Street of Tarkov-①
①PMC(自分)がパソコンを漁っている音
②窓のすぐ外(5mくらい?)を歩くSCAVの足音
窓の外を歩くSCAVの足音に気付く。足音のパターンによっては400Hz前後に靴音が入ることもあるが、基本的には1000~10000Hzの範囲での弱い音の連続。
③SCAVが建物脇の植え込みに入る草擦れ音
建物に入る前に処理したSCAVに気付いて植え込みに入るSCAV。草木が擦れる高い音。1000~2000Hzあたりに強い反応。
④SCAVの声
倒れたSCAVを見つけて発したSCAVの声。「おい大丈夫か!?」みたいな。(ロシア語はわかりません)
⑤PMC(自分)が窓越しにM4A1(サプ付き)を2発発砲
立ち止まっているSCAVにM4A1を撃つ音。ガラスが割れたガシャーン音が全域で強く出ている。
⑥M4A1(サプ付き)の銃声
⑤のガラスが割れる音も含む全域の反応の中で、銃声と思われる強い反応が300Hz前後に2回確認出来る。
解析からわかること
※あくまでタルコフの、あくまで限定的なシーンだけの検証です。そのうち他のシチュエーションや他のゲームタイトルでも試せたら追記するかも。
素人解析ですが、足音と言っても距離によって周波数帯は変わってるっぽい。自分との距離が近い場合(一番近いのは自分の足音)は低音域の響きが大きく、離れるほど低音ではなく中音域の小さい音に変わっていく感じです。
足音以外の音に関しても全般的に「周囲の状況を知るために聞き取りたい音」ほど中高音で小さい音が多い印象です。
FPSゲームをプレイする上では『至近距離の足音=すでに見えている、もしくは気づいている敵』よりも中距離の足音=まだ見えていない、もしくは気づいていない敵』をいち早く発見することのほうが重要な局面が多いんじゃないかと思います。
ということは、イヤホン・ヘッドホンのレビューでよく見る「低音が強いから足音が聞こえやすい」も嘘ではないと思いますが、実は「中音域の解像度が高くてそれぞれの音がしっかり分離して聞こえるから遠くの足音も判別しやすい」みたいなレビューのほうがたぶんFPSを論理的に理解してプレイしているガチプレイヤーなんじゃないか、ということになりますね。
具体的なイメージを持ってサウンドデバイスを選ぶ
ゲーミングイヤホン・ヘッドホンを選ぶときは、「低音強めときゃー迫力あっていいだろ」的な製品よりも「低音よりも中音域がしっかり立っていて音の解像度が高い」ものを選んだほうが良さそう。
といっても有象無象の製品群からピンポイントで欲しい特性のイヤホン・ヘッドホンを引き当てるのはただの運ゲーなので、結局難しい問題なのですが。
イヤホン・ヘッドホン専門店『e☆イヤホン』ならスタッフのレビューも掲載されているので、どこの馬の骨かわからないレビューよりはちょっとだけ信頼出来るかも知れません。
無料のイコライザーでも調整可能
イヤホン・ヘッドホンは買って使い込むまで良し悪しの判断が出来ないのでなかなか難しいところがありますが、PCに無料のイコライザーをインストールするだけでも音の周波数特性を変えてテスト出来るので試してみるのも良いかも。
▶無料イコライザー『FxSound』