2025年4月16日にNVIDIA GeForce RTX5060Tiが市場に登場し、ゲーミングPCブランド「GALLERIA」からもRTX5060Ti搭載モデルの販売が開始されています。
先にリリースされていた5090~5070番台に続き、ゲーミングPC市場では圧倒的ボリュームゾーンとなるミドルスペック帯で待望のRTX5060Ti。ここでは大きく性能面と機能面で解説してみます。
RTX5060Ti スペック表
RTX5060Ti | RTX4060Ti | |
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発売時期 | 2025/4 | 2023/05 |
アーキテクチャ | Blackwell | Ada lovelace |
DLSS ver. | DLSS 4 | DLSS 3 |
DLSS機能 | DLSS 4 超解像度 DLAA レイ再構成 フレーム生成 Multi Frame Generation | DLSS 3.5 超解像度 DLAA レイ再構成 フレーム生成 |
Tensorコア | 第5世代 759 AI TOPS | 第4世代 353 AI TOPS |
CUDAコア | 第4世代 4608 | 第3世代 4352 |
レイトレーシングコア | 第4世代 72 TFLOPS | 第3世代 51 TFLOPS |
ベースクロック ~ブーストクロック | 2.41 ~2.57GHz | 2.31 ~2.54GHz |
メモリ | GDDR7 16GB/8GB | GDDR6 16GB/8GB |
メモリ インターフェース幅 | 128bit | 128bit |
メモリ帯域幅 | 448GB/sec | 288GB/sec |
定格電力 | 180W | 165W |
RTX4060Tiに引き続き、メモリ容量の面で8GBと16GBの2モデル展開となっています。この点だけでも結構な性能差に繋がるため、購入の際には注意が必要です。
AI関連機能の強化に注目
RTX4060Tiから比較して、コア世代からメモリ帯域幅まで全面的に新世代装備に刷新されていることがわかりますが、中でも特筆すべきはDLSSver.とAI TOPS。
DLSSは解像度のアップスケーリングやフレーム生成によるフレームレートの補完を行う機能で、最近では『MonsterHunterWilds』がDLSSを含む超解像度技術の使用を前提としたPCスペックを要求したことで大きく話題になりました。
このDLSSを始めとした描画処理の補完機能や、AI、機械学習タスクなどにおける計算能力を示すのが「AI TOPS」(エーアイ テラオペレーションズ パーセカンズ)です。
スペックで見る限りでは旧モデルであるRTX4060TiからAI TOPSが倍増されており、今後のGPUに求められる性能の中でもかなりの重要度を持つことがわかっていただけると思います。
RTX5060Ti ベンチスコアグラフ

NVIDIA製GPUはこれまで、多くのアップグレードに於いて
・旧世代の同ナンバリングモデルより上
・旧世代1ランク上のナンバリングモデルより下
という性能向上幅を守って新製品を投入してきました。これは市場に混在する新旧モデルの序列を整えて旧モデルの商品価値が大きく崩れることを防ぐための戦略だと思われ、RTX5000シリーズに於いてもこのルールは守られているようです。
ベンチスコア以上の性能差
ただし、スペック表でAI関連の性能についてはRTX5000シリーズが大きく進化していることがわかるように、特定の用途、環境に於いては上記のグラフ以上にRTX5000シリーズがアドバンテージを発揮することになります。
今後のゲーム開発に於いてはDLSSに代表される超解像度、フレーム生成機能を前提としたソフトが増えていくことはほぼ確実でしょうし、ゲーム以外でもビジネスやクリエイティブ用途でのAI活用が広がっている現状に於いてRTX5000シリーズのアドバンテージを発揮する場面はユーザーの予測を超えて急速に拡がっていくものと思われます。
GALLERIA RTX5060Ti搭載モデル

4月16日から販売を開始した
GALLERIA RTX5060Ti搭載モデル
の一部を例に、特徴や選び方を解説します。
ここで取り上げるモデルの他にも複数のおすすめモデルが展開されていますので、詳細は是非ドスパラGALLERIA公式サイトでチェックしてみてください。
RTX5060Ti 8GB/16GB搭載モデル差は約1万円
GALLERIA XA7R-R56T 7800X3D搭載 | GALLERIA XA7R-R56T 7800X3D/ RTX5060Ti 16GB搭載 | |
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CPU | Ryzen 7 7800X3D | Ryzen 7 7800X3D |
GPU | GeForce RTX 5060 Ti 8GB | GeForce RTX 5060 Ti 16GB |
メモリ | 32GBメモリ DDR5 | 32GBメモリ DDR5 |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD | 1TB Gen4 SSD |
参考価格 | ¥279,980▶詳細 | ¥289,980▶詳細 |
全く同じ構成で、RTX5060Tiの8GBと16GBを搭載した2モデル。
価格差はたったの1万円なので、おそらくは16GB搭載モデルから売れていくでしょう。
実際には並べて比較するわけではないので体感できる性能差はそこまで無いかも知れませんが、購入後の満足度を考慮するなら迷わず16GBモデルを選択することをおすすめします。
メンタル的にも「たった1万円で下位モデル」とは考えたくないので。
ゲーミング性能ならAMD、AI性能ならIntel
GALLERIA RM7C-R56T Intel Core Ultra/ RTX5060Ti 16GB搭載 | GALLERIA XA7R-R56T 7800X3D/ RTX5060Ti 16GB搭載 | |
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CPU | Core Ultra 7 265F | Ryzen 7 7800X3D |
GPU | GeForce RTX 5060 Ti 16GB | GeForce RTX 5060 Ti 16GB |
メモリ | 16GBメモリ DDR5 | 32GBメモリ DDR5 |
ストレージ | 500GB Gen4 SSD | 1TB Gen4 SSD |
参考価格 | ¥244,979▶詳細 | ¥289,980▶詳細 |
組み合わせるCPUに関しては
・ゲーミング性能重視ならAMD Ryzen搭載モデル
・AI性能重視ならIntel Core Ultra搭載モデル
と考えると選びやすいと思います。
単純なゲーミング性能で比較すると、AMD Ryzen7 7800X3Dのような『ゲーミングCPU』を選択した方がフレームレートの伸びが大きくなります。
ゲーム用途だけではなくビジネスやクリエイティブでのAI性能まで考慮するならIntel Core Ultraのような『AI CPU』を選択した方が用途が広がる可能性があります。
Intel Core UltraはNPU(Neural Processing Unit)を統合しAI性能を重視して設計されており、今後のビジネス、クリエイティブ環境での活用幅の拡充が大きく期待されています。ただし、単純なゲーミング性能は正直イマイチ伸び悩む傾向にあるようです。
その他RTX5000シリーズ搭載モデルも是非GALLERIA公式サイトでチェックしてみてください。