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2026年夏のPCセール攻略法:高騰するメモリ・SSD時代を乗り切るBTO選び

PCの選び方

長期化するパーツ高騰と2026年夏のボーナス商戦の傾向

2026年現在、PC市場は主要パーツであるメモリ(DRAM)とSSD(NANDフラッシュ)の価格高騰に直面している。市場調査会社TrendForceの報告によると、2026年上半期にメモリ契約価格は前四半期比で約60%前後の急上昇を記録した。第3四半期(7~9月)に入り上昇幅は10%台に鈍化する見通しであるものの、依然として高止まりの傾向が続いている。

この高騰の背景には、データセンターにおけるAI需要の急増と、メーカー側が生産能力をサーバー向けに優先配分している事実が存在する。PC向けパーツの供給量は絞られており、劇的な値下がりは2027年以降まで見込めないとする見方が強い。

しかし、2026年7月の夏のボーナス商戦において、BTO(受注生産)メーカー各社は活発なセールを展開している。各社は部材確保と販売数維持のため、利益率を削った限定モデルを市場に投入中である。代表的なメーカーのセール動向は以下の通りである。

メーカー名主なセール特徴狙い目の構成・ブランド
ドスパラドスパラポイント還元や各種キャンペーンが強力。最短翌日出荷のスピード配送も魅力圧倒的知名度とシェアを誇る、定番ゲーミングPC「GALLERIA」
FRONTIER台数限定や週替わりセールの割引額が極めて大きいRTX 50シリーズなど最新GPU搭載のハイエンド・コスパ特化モデル
マウスコンピューター約2週間ごとにラインナップが更新される「期間限定セール」を実施「NEXTGEAR」などの若年層向け高コスパ機や、信頼性の高い「G-Tune」
パソコン工房「超還元フェア」などのポイント付与、Web限定クーポン、コラボPCの展開パーツ選定の自由度が高く、ラインナップが豊富な「iiyama PC」

現状、パーツ単体の値下がりを待つためにPCの購入を先送りすることは推奨しない。必要な時に高性能なPCを導入し、機会損失を防ぐことが賢明な判断となる。そのためには、「セール品を適正価格で見極めて購入する技術」が求められる。

待つべきか買うべきか:16GBメモリ/500GB SSD構成から始めるスモールスタート戦略

パーツ高騰期における賢い購入アプローチとして、初期スペックを最小限に抑えて購入する「スモールスタート戦略」が極めて有効である。

多くのBTOデスクトップPCでは、標準構成として「メモリ32GB」「SSD 1TB以上」が推奨される傾向にある。しかし、これらの大容量構成は現在の価格高騰の影響を最も強く受ける。そこで、購入時の構成をあえて「メモリ16GB(シングルチャネルまたはデュアルチャネル)」「SSD 500GB」に抑えることで、初期費用を大幅に削減することが可能となる。

スモールスタート構成のコストメリット比較

以下は、同一のCPU(Core i5 / Ryzen 5クラス)およびGPU(RTX 5060クラス)を選択した場合の、初期構成による価格差の目安である。

構成項目標準推奨スペックスモールスタートスペック削減効果(目安)
システムメモリDDR5 32GB(16GB×2)DDR5 16GB(16GB×1 または 8GB×2)約15,000円〜20,000円
ストレージM.2 NVMe SSD 1TBM.2 NVMe SSD 500GB約10,000円〜15,000円
初期購入総額約220,000円約185,000円総額で約35,000円の節約

段階的なアップグレードの妥当性と注意点

「メモリ16GB」「SSD 500GB」という構成は、最新の3Dゲームや一般的なクリエイティブ作業(動画編集・画像加工)を快適に開始するための必要最低限のスペックを満たしている。システムドライブを500GBで運用し、容量が不足した段階、あるいはメモリやSSDの市場価格が落ち着いたタイミングで、後からパーツを買い足して増設するという手法は、ひとまず環境を整え状況の変化を待てるユーザーであれば有効だろう。

ただし、自身でパーツを購入して増設作業を行う場合は、完全に「自己責任」となる点に十分注意されたい。作業中に発生した静電気や物理的な干渉によるマザーボード、各種パーツの破損は、原則としてメーカー保証の対象外となる。万が一パーツの相性問題が発生した場合も自分で解決する必要があるため、作業手順を事前によく確認し、少しでも不安がある場合はメーカーによる公式な増設・サポートサービスを利用することをおすすめする。

後付け増設を見据えた、拡張性の高いマザーボードとBTOケースの選定ポイント

スモールスタート戦略を成功させるためには、購入するBTOパソコンが「将来的にパーツを増設しやすい設計になっていること」が必須条件となる。購入時に確認すべき仕様を3つのポイントに絞って解説する。

1. メモリスロット数と最大容量

マザーボード上のメモリスロットは、必ず「4スロット」搭載されているモデルを選択する。安価なミニタワーモデルや一部のコンパクトPCでは、メモリスロットが2スロットしか搭載されていない場合がある。2スロットの場合、後からメモリを増設する際に既存のメモリを破棄して差し替える必要が生じ、無駄が発生する。4スロット仕様であれば、空きスロットに同規格のメモリを2本追加するだけで容易にアップグレードが可能となる。

2. M.2 SSDスロットの空き状況とSATAポート数

SSDの増設において、最も手軽で高速な接続規格がM.2 NVMeである。BTOパソコンの標準構成でM.2 SSDが1基搭載されている場合、マザーボード上に「空きM.2スロット」が最低1基残されているかを確認する必要がある。空きスロットがない場合は、低速な2.5インチSATA SSDを追加するか、大容量のM.2 SSDへ丸ごと換装する手間が生じるため注意が必要である。

3. 電源ユニットの容量設計とケースの物理的スペース

パーツを後から追加する際、電力を供給する電源ユニットに余裕がなければシステム全体が不安定になる。将来的に高性能なグラフィックボードへの換装や、複数のストレージ増設を見据える場合、初期構成の消費電力に対して150W〜200W程度の余裕を持たせた電源ユニット(例:650W〜750W 80PLUS GOLD認証)へあらかじめアップグレードしておくことを推奨する。

また、BTOケースの内部スペースが極端に狭いモデルは避けるべきである。パーツの取り付け作業が困難になるだけでなく、排熱効率の低下を招く。メンテナンス性に優れたミドルタワーケースを選択することが、長期にわたってPCを維持・運用するための強固な基盤となる。