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さよなら「玄人志向」、こんにちは「Crowxis」:リブランド第一弾グラボが示す新戦略

PCメーカー特集

自作PC市場で25年にわたり親しまれてきたパーツブランド「玄人志向」が、2026年9月に新ブランド「Crowxis(クロウシス)」へとリブランドを発表しました。同年10月29日には、その第一弾製品となるAMD Radeon RX 9000シリーズ搭載ビデオカードが発売されています。

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トレードマークであったサングラス男のアイコンに別れを告げ、日本神話の「八咫烏(やたがらす)」をモチーフに据えた新ブランドは、どのような狙いで立ち上げられたのでしょうか。本記事では、ブランド刷新の背景や第一弾グラフィックボードの特徴、そしてパーツ価格が高騰する現在の自作PC市場における立ち位置について客観的に検証します。

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玄人志向からの脱却:「Crowxis」誕生の背景とブランドイメージの刷新

25年の歴史を経て生まれた「Crowxis(クロウシス)」の由来

「玄人志向」は、2001年にCFD販売(当時メルコグループ)の自作PC向けブランドとして本格展開を開始しました。サポートを簡略化することで安価な価格を実現し、合理性を重視する自作ユーザーを中心に長く支持を集めてきました。

25周年を迎えた2026年、同社はブランドの魅力を現代のユーザーに合わせて再定義するため、「Crowxis」への刷新を決定しました。名称の由来は以下の2つの単語を組み合わせた造語です。

  • Crow(八咫烏):日本神話で人々を導いたとされる鳥。ユーザーに満足のいく結果を案内する象徴。
  • Axis(軸):多種多様な選択肢の中で、ユーザーの判断基準となるブランドを目指す姿勢。

アイコン刷新:「サングラス男」から「八咫烏」へ

旧ブランドを象徴していたのは、初期の「謎のサングラス男」のイラストや、後年のサングラスマークでした。自作PCカルチャー黎明期にはその無骨さが評価されたものの、PCゲームの普及に伴ってライトユーザーが増加する中では、「玄人向けという敷居の高さ」や「人に勧めにくい名称の壁」が存在していたとされています。

新ブランド「Crowxis」では、八咫烏と頭文字「C」を組み合わせたスマートなロゴデザインへと移行しました。従来の「合理性・信頼性・実用性」という理念を継承しつつ、デザイン面での洗練を図ることで、初心者からコアゲーマーまで幅広い層に受け入れられやすいイメージへと舵を切っています。

リブランド第一弾グラボの実力:価格設定と冷却機構のパフォーマンスチェック

Crowxisブランドの第一弾として市場に投入されたのは、AMDの最新GPUであるRadeon RX 9000シリーズを搭載した計5モデルです。

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Radeon RX 9000シリーズ展開モデル

最上位のRX 9070 XTから、ボリュームゾーンとなるRX 9060 XTまでを網羅した構成となっています。

型番搭載GPUVRAM冷却仕様
CXA-RX9070XT-16G/TF/BKRadeon RX 9070 XT16GBトリプルファン(銅製ベース)
CXA-RX9070GRE-16G/DF/BKRadeon RX 9070 GRE16GBデュアルファン
CXA-RX9060XT-16G/TF/BKRadeon RX 9060 XT16GBトリプルファン
CXA-RX9060XT-16G/DF/BKRadeon RX 9060 XT16GBデュアルファン
CXA-RX9060XT-8G/DF/BKRadeon RX 9060 XT8GBデュアルファン(ショート基板)

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冷却性能と実用性を重視した設計

フラグシップモデルの「CXA-RX9070XT-16G/TF/BK」では、大型ヒートシンクに3基のファンを組み合わせたトリプルファン仕様を採用しています。GPUコアとの接触面には熱伝導性に優れる銅製ベースプレートを配置しており、高負荷時でも熱を迅速に拡散する設計です。

装飾用の過度なLEDライティングを排し、質実剛健なブラック基調のデザインにまとめることで、旧玄人志向が持っていた「コストを冷却機構や基板品質へ優先配分する」という方針が維持されている点も確認できます。

2026年秋のグラボ市場:価格高騰が続く中でCrowxisが担うミドルレンジの役割

グラフィックボード市場の現状

近年のGPU市場は、先端プロセスの製造コスト上昇やAI需要による高密度メモリの確保競争を受け、全体的な価格水準が上昇傾向にあります。ハイエンドモデルは20万円を大きく超えるケースも珍しくなく、ミドルレンジからアッパーミドル帯のカードであっても10万円前後の予算を求められる状況が続いています。

また、近年のゲームタイトルではFSRやDLSSといった超解像技術・フレーム生成技術の活用が標準化しており、GPU単体の純粋な演算能力だけでなく、専用コアの効率やVRAM容量の重要性が増しています。

「合理的な選択肢」としてのCrowxis

このような市場環境において、Crowxisが初弾で投入したラインアップは、性能と価格のバランスを重視する自作ユーザーにとって現実的な選択肢となります。

  • 無駄を省いたコスト設計:パッケージや過度な装飾を抑え、同等性能の他社競合モデルと比較して競争力のある実売価格を提示。
  • 幅広いラインアップ:同一GPU(RX 9060 XTなど)であっても冷却性能を重視したトリプルファン仕様や、小型ケースへの組み込みを想定したショート基板仕様を用意。
  • ブランドの親しみやすさ:旧ブランドのサポート簡略化という割り切りを維持しつつ、現代的なデザインとブランドイメージによってパーツ選定時の心理的ハードルを緩和。

グラフィックボードの選択肢が限られつつある中、玄人志向時代の実質本位なアプローチを継続しながら、より広いユーザー層に向けて「判断の軸(Axis)」を提供しようとするCrowxisの展開は、自作PC市場における堅実なポジションを確立していくものと考えられます。